プレミアリーグの時間BACK NUMBER
見逃せない3クラブの優勝争い。
リバプールは残り試合全勝が必要だ!
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty images
posted2014/04/04 10:40
アカデミーからリバプール一筋。1998年にトップデビューした“クラブの象徴”ジェラード。優勝は彼にとっても悲願だ。
昨年12月、マンCに敗れているリバプール。
リバプールは、昨年12月のマンC戦で敗れている(1-2)。今回も同じ結果となれば、マンCには、対戦前後の7試合で4ポイントを落としても確実に優勝できるという余裕が生まれる。直接対決で引分けた場合も、もはや取りこぼしは許されなくなるリバプールとは違い、更に2ポイントを落としても得失点差で優勝の公算が大きい。
マンCが得意とするホームでの残り5試合は、いずれも順当勝ちが見込める格下との対戦だ。苦手のアウェイでも、マンCの決定力を以てすれば、クリスタルパレスを確実に叩き、前掛かりになる傾向があるエバートンからも最低1ポイントは奪えるだろう。一昨季に得失点差でリーグ優勝を成し遂げているマンCだが、その優勝争いにおける経験値を差し引いても、リバプールより優位な立場にあると言える。
もちろん、リバプールがマンCとの撃ち合いを制することは考えられる。前回の敗戦も内容では負けておらず、オフサイドの誤審でゴールが取り消される不運にも見舞われた。但しマンCに前回の借りを返したとしても、その2週間後にはチェルシー戦という関門もある。大一番に強いジョゼ・モウリーニョ監督のチームにすれば、その真骨頂が発揮されて当然の一戦だ。
対戦カードに恵まれているチェルシーは全勝が現実的。
事実、3月末までのライバル対決を無敗で終えているのはチェルシーのみ。年末のリバプール戦(2-1)にしても、相手はジェラードとスタリッジを欠いてはいたが、スアレスへのチャンス供給を完全に断って勝利している。リターンマッチではフル戦力のリバプールが攻勢に出たとしても、人数も割く今季チェルシーの速攻カウンターは、リバプールのそれにも引けをとらない威力を持つ。
そもそも、残り試合を全勝で終える確率は、対戦カードに恵まれているチェルシーが最も高い。3試合を残すホームでのリーグ戦には、今季復活したモウリーニョ体制では前回時代から負け知らずという絶対的な自信を持つ。アウェイでの3試合にしても、うち2試合は、今季は冴えないスウォンジーと、最終節での対戦時には既に降格が決まっていると思われるカーディフとの対戦だ。