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巨人“二塁手戦争”は、大穴が来る!?
片岡、井端に挑む寺内崇幸の武器。 

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNaoya Sanuki

posted2014/02/09 08:15

巨人“二塁手戦争”は、大穴が来る!?片岡、井端に挑む寺内崇幸の武器。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

昨季、自身最多の114試合に出場した寺内。安定した守備には定評があるが、打率.225に終わった打撃面が課題になる。

川相が寺内に求めているものは何か。

 守備に不安のある岡崎と勝呂が、当時の滝安治守備コーチ(故人)に指名されて居残り特守を行なった。そこには守備力に定評のあった川相は呼ばれていなかった。

 ところが二人が内野でノックを受けている間、川相も帰らずにずっとバックネットのフェンスにボールをぶつけて“独り特守”を繰り返していたのだ。

 たとえ自分が評価されても、絶対に油断はしない。自分が得意な分野でも、人がやっている以上に努力して腕を磨き、自分が劣る部分はさらに練習を積み重ねる――競争に勝つにはそれぐらいの努力が必要だし、それをやらない限り評価を覆して人の上にいくことはできない。

 16年前のショート戦争を、川相コーチは、そうして最後に勝ち抜いたのである。

 川相コーチが、今の寺内に求めているのは、16年前に自分がやったような、なりふり構わぬ努力なのではないだろうか。

レギュラー争いは、選手にとってまさに死活問題なのだ。

 本命・片岡、対抗・井端、大穴・寺内と言われている、2014年の巨人の二塁手戦争。

 第1クールの守備練習を見ていると、井端の肩は8分の仕上がりで、片岡もキャッチボールで目を見張るようなボールを投げる訳ではない。ただセカンドの位置からのショートスローは、二人ともさすがと唸るスピード感を見せている。

「まず自分の得意な守備でアピールしていくこと。でも、その前に絶対に気持ちで負けないことだと思っています。バッティングでも他の選手を押しのけるぐらいの気持ちで練習に取り組んでいきたい」

 こう語る寺内が、移籍組の二人にどんな戦いを挑むのか?

 レギュラー争いとは選手にとってはまさに死活問題である。火花散らすそんな激しいバトルを見守る。それもまたキャンプの面白さなのである。

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