プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人“二塁手戦争”は、大穴が来る!?
片岡、井端に挑む寺内崇幸の武器。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2014/02/09 08:15
昨季、自身最多の114試合に出場した寺内。安定した守備には定評があるが、打率.225に終わった打撃面が課題になる。
2月1日のキャンプインから宮崎巨人キャンプの第1クールを見てきた。
今年は巨人OBで元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さんが、臨時コーチとして12年ぶりに古巣キャンプを訪れている。メディアはその話題で持ち切りだが、実際にキャンプを見ていて一番目を引いたのが、選手の目の色が変わっていることだった。
原辰徳監督が掲げるのは「真の実力主義」と「競争」での日本一奪回。そのため様々なポジションでレギュラー争いが繰り広げられている。
特に昨オフ、フリーエージェントで西武から片岡治大内野手を獲得し、中日を自由契約となったベテランの井端弘和内野手も加入した二遊間のポジション争いは激化。その結果、キャンプで目だっていたものの一つが、坂本勇人内野手の動きだった。
昨年は持病の腰痛の影響もあって打率2割6分5厘、12本塁打と低迷。今季は本当の主軸打者として一本立ちできるかどうか、試金石のシーズンとなる。
坂本が好調ならショートは決まり。では二塁は……。
そのためのキャンプ――。
「彼本来のアグレッシブさが出た動きになっている」
原監督もこう評するように、連日のように居残り特打を繰り返す坂本は、心なしか身体も引き締まって、表情も鋭く尖ったように見える。昨年まではポジションを脅かす存在がいなかったこともあり、キャンプといえばどこかマイペースの調整が続いていた。しかし、井端という強力ライバルの加入が、再起を期す坂本に、またとない良い刺激となっているということなのだろう。
坂本がシャンとすれば、もちろん百戦錬磨の井端といえども、ショートのポジションを奪うことは困難になる。となれば自然と激化しそうなのが、二塁のポジション争いなのだ。