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第2弾“新人王候補”を徹底検証!
今年のルーキーはこの10人に注目。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2014/02/14 16:30
熱心なラブコールを送り、見事交渉権を引き当てた田村恵スカウトとの縁も話題になった大瀬良大地。前田健太、野村祐輔の二大エースを抱える広島で、前評判通りの活躍を見せられるか。
前回、プロ在籍選手の新人王候補を予想したが、今回は新人だけに焦点を当てた新人王予想をしてみたい。
まず過去10年、新人の新人王は15人いる。このうち大学卒は8人、社会人出身は6人、高校卒は1人である。大学卒の内訳は東京六大学リーグ、東都大学リーグ出身が2人、それ以外の地方大学出身が6人と地方勢の活躍が見逃せない。投手と野手の比率は13対2で、ドラフトの順位は次の通りだ。
年度 | パ・リーグ選手 | 順位 | セ・リーグ選手 | 順位 |
'04年 | 三瀬幸司(ダイエー) | 7巡 | 川島亮(ヤクルト) | 自由枠 |
'05年 | 久保康友(ロッテ) | 自由枠 | 青木宣親(ヤクルト) プロ2年目 | |
'06年 | 八木智哉(日本ハム) | 希望枠 | 梵英心(広島) | 3巡 |
'07年 | 田中将大(楽天) | 1巡 | 上園啓史(阪神) | 3巡 |
'08年 | 小松聖(オリックス) プロ2年目 | 山口鉄也(巨人) プロ3年目 | ||
'09年 | 攝津正(ソフトバンク) | 5位 | 松本哲也(巨人) プロ3年目 | |
'10年 | 榊原諒(日本ハム) プロ2年目 | 長野久義(巨人) | 1位 | |
'11年 | 牧田和久(西武) | 2位 | 澤村拓一(巨人) | 1位 |
'12年 | 益田直也(ロッテ) | 4位 | 野村祐輔(広島) | 1位 |
'13年 | 則本昂大(楽天) | 2位 | 小川泰弘(ヤクルト) | 2位 |
[註]'06年梵(広島)、'07年上園(阪神)は3巡でも大社ドラフトの筆頭指名なので上位指名とみなす。
順位の単位は統一ドラフトになった'08年以降が「位」、それ以前が「巡」
順位の単位は統一ドラフトになった'08年以降が「位」、それ以前が「巡」
新人王を占う、3つの重大要素。
以上に紹介した15人中、ドラフト上位(1、2位)で指名された選手は12人もいる。これらのことから「地方大学ないしは社会人出身」で「ドラフト上位指名」された「投手」が新人王候補として有力という予想が立つ。今年の新人でこれらの要素を備えているのは次の10人だ。