プレミアリーグの時間BACK NUMBER
マンUの2列目に史上最高額で参戦!
マタは“衝動買い”ではなく“福袋”?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2014/01/28 10:45
マンチェスターでメディカルチェックを受ける際に早速、地元ファンに囲まれる。不振のチームを変える存在として期待も高まる。
アーセナルを変えたエジルのようになれるか。
ファンに希望を与えた新プレーメイカーは、間違いなくチームメイトの士気をも向上させる。マタのマンU入りには、スケールはやや下がるにしても、昨年9月の移籍でアーセナルを首位に押し上げた推進力、メスト・エジルと同種のインパクトが期待できる。実力者の加入が、ムード一新と自信回復のきっかけとなれば、五分五分の競り合いや、瞬時の判断といった面でも、マンU選手のプレーには前向きな変化が見られるに違いない。2列目の補強ではあるが、精神面の変化が、自信低下による迷いや集中力の欠落が招く拙守の改善を促進しても不思議ではない。
英語圏では、よく「事態好転の前には悪化が付き物」と言われるが、リーグでは降格圏内のサンダーランドに負けてのリーグカップ敗退で、モイーズ新体制は落ちる所まで落ちたと言って差し支えない。チェルシーから漏れ聞く情報によれば、実際には、早期交代にマタが不満を露にした元日のサウサンプトン戦後の時点で獲得の打診があったとされる。そして、最終的には、マンUが今季最悪の窮地に陥った直後に、事態好転への触媒の如く加入が決まった。
新年早々の「衝動買い」と言われたマタ獲得だが、モイーズ率いるマンUは、値が張る代わりにチャンスメイク以外の魅力も多い、マタという「高級福袋」を購入したと見る。