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進むルーニー依存と、大物獲得の噂。
マンU香川、最大の課題は「安定感」。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2014/01/23 10:40

進むルーニー依存と、大物獲得の噂。マンU香川、最大の課題は「安定感」。<Number Web> photograph by Press Association/AFLO

スウォンジーとのリーグ戦、トップ下に回った後半では何度も有効な動きを見せた香川真司。出場機会に恵まれない時期を過ごしながらも、その能力はサビついていない。

 1月19日のプレミアリーグ第22節で、7敗目を喫したマンチェスター・ユナイテッド。ロビン・ファンペルシとウェイン・ルーニーの両主役を怪我で欠いていたとはいえ、絶好調とは言いがたいチェルシーにあっさりと負けた(1-3)。

 首位アーセナルとの差は14ポイントに開き、7位マンUのリーグ優勝には、100倍というオッズを付けるブックメイカーも現れた。100倍というのは、1ポイント差でアーセナルを追うマンチェスター・シティによる、CLを含む国内外4冠達成と同等の倍率だ。マンチェスター両軍のサポーターは「可能性がある」と解釈するのかもしれないが、一般的には「可能性がない」ことを意味する。

 無論、マンUを率いるデイビッド・モイーズ新監督は、チェルシー戦後にも「首位フィニッシュを目指すのみ」と、諦めていない。

 巻き返しに向け、今冬の移籍市場後半での即戦力補強も画策中だ。翌日には、チェルシーのベンチで試合を終えたフアン・マタを、移籍金3700万ポンド(約63億円)で狙うとの説が流れた。言うまでもなく、チェルシー戦をマンUベンチで過ごした香川真司にとっては凶報である。

マタ獲得は、香川の余剰人員扱いさえ意味しかねない。

 モイーズは、昨夏の時点でセスク・ファブレガス獲得に動いてもいた。だが、当時は、チェルシー移籍が噂されたルーニーに代わるトップ下を香川が務め、セスクを中盤の中央で起用するシナリオが考えられた。ところが、結果的に残留したルーニーが正トップ下として君臨する現状では、オプションとなる2列目左サイドでも香川の序列低下が危惧される補強説だ。

 ファンペルシ不在時には、CFを務めるルーニーの背後で、ドリブル突破からFKまで万能なアドナン・ヤヌセイの先発が増えている事実を考慮すれば、マタ獲得は香川の余剰人員扱いさえ意味しかねない。

 そして現時点では、序盤戦とは違い、香川に対する理不尽な冷遇だとモイーズ采配を非難するわけにもいかない。

 自業自得とまで言うつもりはない。出場機会が限られる状況では、焦りや躊躇が自信を落とすパフォーマンスにつながり、更に本来の力を発揮できなくなるという悪循環に陥っても仕方がないのも確かだ。

【次ページ】 香川の不遇を嘆いていたファンも徐々に……。

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