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スペイン代表のW杯優勝を
書店が切実に願う理由。
~スポーツ本で出版不況払拭を~
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byDaisuke Nakashima
posted2014/01/29 06:10
バルセロナの書店には、ペップやネイマールなど、サッカー本が目立つ。プジョルの新刊も。
インターネットやSNSの普及により読書離れが叫ばれて久しいが、スペインの本屋で賑わいを見せているコーナーがある。それがスポーツ関連書籍売り場だ。国内で昨年上半期に出版された本の総数3万6323冊のうち、スポーツ本の割合は4%に上り、記録的な伸びを見せている。大手書店Casa del Libroの担当者も「近年のスポーツ本の売れ行きは凄まじい」と語るほどだ。多くの書店がスポーツ本コーナーの棚を増やすなど、店内の展示にも変化が見られている。
そもそも、英国ではスポーツが文学のひとつのジャンルとして認識され、1992年のニック・ホーンビィの著書『フィーバーピッチ』が高い評価を受けるなど市場が成熟しているが、スペインでは本屋の一角に肩身が狭そうに佇むマイナー分野でしかなかった。