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<ソチ五輪で初代王者へ> 高梨沙羅 「女子ジャンプの歴史を背負って」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShino Seki
posted2014/01/24 06:15
重圧を誰よりも理解する山田とともに、世界一へ。
思い入れが強すぎたのが失敗だったという。だからこそ、五輪の大舞台に挑む選手のためになるのは、どんなに周囲が浮き足立っても、「自分が変わらないでいること」と考えている。
高梨にもきっとプレッシャーはかかるだろう。その重圧を誰よりも理解できる山田がコーチになったのは強力なバックアップとなる。
パイオニアと呼ぶにふさわしい山田を筆頭とする多くの選手たちの足跡は、これからも語り継がれていく歴史であり、これから積み重ねられていく未来への土台でもある。
シーズン開幕に向けて、高梨はこう語っていた。
「2012年はジャンプスーツとか、スキー板の長さのルールがかわって、飛ぶこと自体にけっこう変化があったんですけど、2013年はそういう変化はないですし、しっかり自分がレベルをあげていけばいいことだと思います」
この言葉の通り、2013年夏の国際大会では総合優勝を果たすなど、着実に進んできた高梨沙羅、そして日本代表の選手たちは、競技が行なわれる2月11日、どのようなジャンプを世界に見せるだろうか。
それは日本の女子ジャンプの明日への第一歩でもある。