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阪神JF、ハープスターは世代最強?
脅威の末脚で凱旋門へ羽ばたけるか。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2013/12/07 08:01
5枠10番に入ったハープスター。鞍上の川田将雅は「普通に走ってさえくれれば」とコメントしている。
重賞で牡馬を負かした無敗馬が、他に2頭も。
「一強」ムードを漂わせる、このハープスター。他馬につけいる隙があるとしたら8月25日の新潟2歳ステークス以来3カ月半の休み明け、という点か。
対照的に、ここに向けて順調に使われている馬のなかで一番魅力を感じるのは、新馬戦を勝ったあと、小倉2歳ステークス、デイリー杯2歳ステークスと重賞を連勝しているホウライアキコ(父ヨハネスブルグ、栗東・南井克巳厩舎)だ。
スピードが武器で、デビューから1200m戦を連勝していただけに、マイルの前走は顎が上がるのではと心配されたが、イメージ以上に持続力のある末脚を見せてくれた。単調な逃げ馬ではなく、あらゆる流れに対応できる自在性を身につけた今なら、後ろのハープスターになし崩しに脚を使わせる展開に持ち込み、ひょっとするかもしれない。
さっき「一強」と記したばかりだが、そのハープも、相手になりそうなホウライも、そしてレッドリヴェール(父ステイゴールド、栗東・須貝尚介厩舎)も、「重賞で牡馬を負かした無敗馬」という点では同じなので、「三強」と言えなくもない。相手が強くなってもつづけて勝てるのは、成長力があり、他馬にはない飛び抜けたものを持っているからだろう。
ミルコ・デムーロを鞍上に巻き返しを期すクリスマス。
これらに割って入るとしたら、早めに栗東入りして本番に備えている、関東馬のクリスマス(父バゴ、美浦・斎藤誠厩舎)か。新馬戦、函館2歳ステークスと、「1200m戦を連勝し、2勝目が牡馬相手の重賞だった」というところまではホウライと同じ。しかし、距離がマイルに延び、鞍上に武豊を迎えた3戦目のアルテミスステークスで7着に敗れてしまった。それでも武は「距離は問題ない」とコメントしている。3カ月半の休み明けで、14kg馬体が増えていたことが響いたようだ。武が香港カップに騎乗するため、今回はミルコ・デムーロが手綱をとる。ヴィクトワールピサがそうだったように、「武が競馬で教え込んだことを、ミルコがその後のレースで引き出す」というパターンになるかもしれない。
ほかにも上位に来そうな関東馬がいる。マーブルカテドラル(父ダイワメジャー、美浦・上原博之厩舎)だ。前述したように、新潟2歳ステークス5着のあと、オープン、重賞と連勝中で勢いがある。
3年前の覇者レーヴディソールの半妹のレーヴデトワール(父ゼンノロブロイ、栗東・松田博資厩舎)も、鞍上が、人気薄を持ってくることの多い福永祐一だけに面白そうだ。