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バスケット界が今度こそ本気に。
新リーグNBL、波乱含みの開幕! 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byKyodo News

posted2013/10/03 10:30

バスケット界が今度こそ本気に。新リーグNBL、波乱含みの開幕!<Number Web> photograph by Kyodo News

開幕直前に行われた会見で、勢ぞろいした各チームの選手たち。地元ファンへの訴求力を高めようとする一方で、全試合のオンライン観戦も整備するなど、試行錯誤が続く。

知識と行動力を備えるリーダーは山を動かせるか。

「新しい始まりなので、打ち上げ花火でもいいと思うんです。まずは開幕戦を見てもらって、また面白いと思ったら次も来てもらえるっていうのが一番」と岡田は言う。そして、その上で、「でもこの人数は経験したことがあるので、今後は、今まで経験したことがない人数の観客の前でプレーしてみたい」と夢も語る。

 新リーグ開幕前には、岡田が中心になって、NBLに所属する日本人選手全員から成る選手会が設立され、岡田が初代会長に就いた。あくまでリーグと対抗する労使団体ではなく、一般社団法人の選手会で、バスケットボールの普及活動を主に行う組織だという。

 選手会設立発表の会見で、岡田はこう説明した。

「実際に選手が集まって『どういった選手会を立ち上げるべきなのか』をゼロから考えた結果、これからは選手自身が自発的に物事を考えて、バスケットボール界をよいものに変えていくんだという強い意識をもっていかなくてはならないと思った。選手自身も自分たちの権利を主張するだけではなく、自分たちも勉強をして考え方を変えていかなくてはならないということで合意に至った」

 開幕戦での満員プロジェクトも、それと同じ姿勢から出たものだ。会社の運営に足りない部分に不平不満を言うのではなく、とりあえず自分たちで動いてみよう、というわけだ。

 開幕初戦の後に岡田はさらに語った。

「リーグが変わり、傍からみたらそんなに変わっていないと思うかもしれないけれど、変わったことをチャンスにしなくてはいけない。まわりから変わったと思ってもらえるようなものにしたい」

 これまで変わろうとしても変われなかったバスケットボール界。そこに新しい風を吹き入れるのは、山谷や岡田のような、大きな夢を語る一方で、それを一歩ずつ地道に実現していけるような知識と行動力を備えたリーダーの存在なのかもしれない。

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