プレミアリーグの時間BACK NUMBER
マンCにペジェグリーニ色が浸透中。
プレミア奪還の鍵は、4人の新戦力。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byManchester City via AP/AFLO
posted2013/08/28 10:30
早速チームにフィットしはじめたヘスス・ナバス。逆サイドのシルバ、中央のナスリとのコンビネーションも上々だ。
タイトル奪還を静かに明言した。
無論、9カ月間にわたるプレミアの戦いでは、予期せぬ落とし穴もあり得る。その1つに、特定のポジションに故障者が重なる不運があるが、7月にマティヤ・ナスタシッチを失ったCB陣では、開幕戦でバンサン・コンパニが負傷者リストに加わった。但し、コンパニのグローイン(股関節)は、本人が軽傷を示唆するコメントを出しており、全治6週間と言われたナスタシッチの足首も、予想以上のペースで回復中。短期であれば、開幕戦で次第に安定感を増したジョレオン・レスコットと、復帰が見込まれるマイカ・リチャーズ、プレシーズン中にCBで試されたハビ・ガルシアらの起用で凌ぐことはできると思われる。
更に、新監督下では、スペースへの動きがロストボールに備えるカバーとしても要求されることから、ピッチ全体で穴をつかれにくいという守備面でのメリットもある。特に、最終ライン中央の手前には、前述の通り、ほぼ間違いなく盾が存在する状態だ。ニューカッスルを相手に、ダブルボランチが揃って中盤の底を離れたのは、前半30分過ぎの1度だけ。その場面も、フェルナンジーニョのテクニカル・ファウルで危機が未然に防がれた。
開幕戦の出来を見る限り、プレミア初体験の新監督と新戦力には適応期間が必要とする見方も、どうやら当てはまりそうにない。攻守に隙のない陣形で、長短のパスを織り交ぜながら、素早く、かつ幅のある攻撃を展開する「ペジェグリーニのマンC」。意図する戦い方が具現化され始めた指揮官は、「プレミアのタイトルを取り戻す」と、静かだが力強く語っている。王座奪回に向けて、マンCの逆襲が始まった。