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マンCにペジェグリーニ色が浸透中。
プレミア奪還の鍵は、4人の新戦力。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byManchester City via AP/AFLO

posted2013/08/28 10:30

マンCにペジェグリーニ色が浸透中。プレミア奪還の鍵は、4人の新戦力。<Number Web> photograph by Manchester City via AP/AFLO

早速チームにフィットしはじめたヘスス・ナバス。逆サイドのシルバ、中央のナスリとのコンビネーションも上々だ。

 プレミアリーグ優勝への決意表明。マンチェスター・シティが、ニューカッスルから奪った開幕戦勝利(4-0)は、そう呼ぶに相応しいものだった。

 マヌエル・ペジェグリーニ新監督の下、攻撃姿勢を強めた昨季のプレミア2位は、前半22分までに2点をリード。その後に敵が退場者を出さずとも、完勝以外の結果は考えられなかった。格下相手の白星発進は、やはり新体制で開幕を迎えた、マンチェスター・ユナイテッドとチェルシーも同じ。だが、最後まで圧倒的だったマンCの戦いぶりには、優勝争いの両ライバルを凌ぐ説得力があった。

 開幕前、新監督として最大の注目を浴びていたのは、マンUのデイビッド・モイーズだ。しかし、四半世紀以上も続いたアレックス・ファーガソン体制の後で、後任が即座に自分の色を出す事は難しい。実際、スウォンジー戦(4-1)で最も際立っていたのは、優勝の原動力となった昨季と変わらぬ、ロビン・ファンペルシの2ゴールと存在感だった。

 新監督としてのインパクトでは、チェルシーに復帰したジョゼ・モウリーニョが話題をさらった。だが、確立を目指す攻撃的スタイルが観衆の目を引いたのは、ハル戦(2-0)の前半のみ。これに対してマンCは、早くも「ペジェグリーニのチーム」として戦い抜いた。4-4-2システムが攻撃的かつ流動的に機能し、「攻めて勝つ」という指揮官のポリシーが90分間実践されていた。

マンC入りした4人の実力者たち。

 マンCにとって、余計な注目を浴びずに済んだプレシーズンは好都合だったに違いない。昨季末、ロベルト・マンチーニが主力選手との不和の中で解任されたチームには、監督交代を機に、再び心を一つにするための時間が必要だったのだ。新監督が、「高飛車」で「感情的」とも言われた前監督とは対照的に、選手をコーチ陣と対等に扱う冷静な人物である点も、チーム作りがスムーズに進行した理由の一部だろう。

 加えて、順調なプレシーズンには、7月後半の時点で既に新たな主力も合流していた。今夏のマンCは、後手に回った昨夏の移籍市場での反省と、昨秋に元バルセロナのチキ・ベギリスタインをフットボール・ディレクターに迎えた、強化担当役員の入れ替えが功を奏し、早々に4名の実力者を獲得した。

 今年1月にマリオ・バロテッリ、6月にカルロス・テベスが抜けた前線には、アルバロ・ネグレドとステバン・ヨベティッチを呼び寄せた。前者は、 昨季のリーガ・エスパニョーラで25得点。CFとしての強度と決定力はバロテッリ以上と言える。後者は、デビューを果たしたプレシーズン中のACミラン戦で2アシスト。攻撃センスとハードワークの両面で、テベスの穴を埋めて余りある能力を持つ。中盤には、突破力のあるヘスス・ナバスと、攻守のバランス感覚が冴えるフェルナンジーニョが加わった。

【次ページ】 開幕戦でナバスとフェルナンジーニョが早速先発。

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