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チェルシー復帰は本当に「幸せ」!?
モウリーニョが直面する数々の難題。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byGetty Images

posted2013/06/14 10:30

チェルシー復帰は本当に「幸せ」!?モウリーニョが直面する数々の難題。<Number Web> photograph by Getty Images

チェルシーでの監督復帰会見でのモウリーニョ。笑顔……というよりは、複雑な表情が気になる記者会見となった。

4-2-3-1を採用しても、守備陣の駒不足は気掛かり。

 今年のモウリーニョが、来季の基本布陣を記すとすれば、システムは4-2-3-1になるだろう。インテルとレアル・マドリーでの監督を経て「一皮剥けた」と言うが、モウリーニョとは、元来、堅守志向の監督だ。いきなり、アブラモビッチが好む純然たる攻撃路線に転じるはずがない。

 攻撃的な伝統を持つレアルでもそうしたように、前方に人数を割きつつも、ダブルボランチが後方に安心感を与える陣形を採用すると思われる。4-2-3-1は、昨年2月以来チェルシーの選手が基本として慣れているシステムでもある。

 現時点での問題は、肝心の背骨にも空欄があることだ。

 絶対的な構成員は、不動の守護神であり続けるペトル・チェフのみ。手前の最終ラインで確実に名前を書き込めるのは、左のアシュリー・コールぐらいだ。重要なCB陣の信頼度は、怪我もあってベンチ組としてシーズンを終えたばかりのジョン・テリーに、レギュラーの座を取り戻す可能性があるほど微妙だ。32歳のテリーには、巷で加齢による限界説が囁かれる。

 ところが、モウリーニョは、旧知の選手に「贔屓はしない。全ては選手のオフ明けに話をしてからだ」と言いつつも、同時に「ジョンの力を最大限に引き出して、再び重要な存在にしたい」と、前回就任時以来のキャプテンに希望を与えてもいる。

「次期キャプテン」のダビド・ルイスはボランチに?

 逆に、定位置を奪い切れなかったギャリー・ケーヒルは、モウリーニョの目にバックアッパー止まりと映るに違いない。ブラニスラフ・イバノビッチは、攻守両面で平均点でしかないセサル・アスピリクエタの代わりに、右SBとして重宝されそうだ。新CBとして、ポルトからエリアキム・マンガラの獲得が噂される。

 興味深いのはダビド・ルイスの扱いだ。メディアでは、26歳のブラジル代表CBを売却対象と見る向きもある。旺盛な攻撃意欲が守備面でのリスクを意味することから、モウリーニョ向きのDFでないことは事実。しかし、オーナーが「次期キャプテン」と目しているという声もクラブ内から漏れている。そこで、指揮官は、前任者が試みたボランチへのコンバートを本格的に進めるのではないか?

【次ページ】 2年連続MVPのマタはチームに不要な「贅沢品」!?

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