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南アW杯の奇妙なグローバリズムと、
日本サッカーの新しい国際的立場。 

text by

西部謙司

西部謙司Kenji Nishibe

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photograph byTakuya Sugiyama(JMPA)/Getty Images

posted2010/07/15 11:30

南アW杯の奇妙なグローバリズムと、日本サッカーの新しい国際的立場。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama(JMPA)/Getty Images

日本サッカーはリーグ・アンのリヨンを目指せ!?

 日本代表の今後については、いかに世界の“中堅国”として上手く立ち回れるかがカギになりそうだ。

 W杯の“守備的な”スタイルについて賛否両論あるようだが、僕は今回の日本がことさら守備的だったとはとらえていない。

 まあ、結果は同じことかもしれないが、攻撃したくてもできなかっただけだと思う。ただ、アジアのゲームで守備型のスタイルを採るのはナンセンスなので、今後、ブラジルW杯までの大半の試合は攻撃的な試合運びになるだろう。

 一方、W杯で対戦する強豪相手には堅守ベースの戦い方になるはずだ。

 日本サッカーの未来を“中堅国”として示したが、例えばクラブレベルでの中堅の星としてはフランスのリヨンなどが挙げられる。国内のリーグ・アンでは王者然としているが、CLでレアル・マドリードなどと対戦すればたちまち堅守速攻に変貌する。そうした二面性を自然と持ち合わせられるかどうか。

 ちなみにリヨンは監督の交代が極端に少なく、過去20年間で全くブレのない強化方針を貫いてきた。実はそれこそが「岡田ジャパン後の日本代表」にとって有力なヒントになるのではないかと思っているのだが……。

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