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イブラが咆哮! メッシは負傷……。
PSGは欧州CLに波乱を起こすか!?
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byGetty Images
posted2013/04/03 11:50
徹底的にマークされていたイブラヒモビッチだが、バルサゴール前の制空権は終始彼のものだった。
試合前日、PSGのカルロ・アンチェロッティ監督はこんな話をしていた。
「メッシを止めるのは難しい。ただ、同じようにバルサにとってはイブラヒモビッチを止めるのも難しいはずだ」
4月2日に行われたチャンピオンズリーグ準々決勝1stレグ、PSG(パリ・サンジェルマン)vs.バルセロナ。この試合、注目が集まったのは、当然このふたりだった。
試合当日の仏レキップ紙はメッシとイブラヒモビッチを一面に大きく載せ、『どちらが魅せるか?』。西マルカ紙は『イブラ対メッシ』として盛り上げた。
前日会見に出たイブラヒモビッチは「バロンドールの名称をメッシにするべき」と語るなど、珍しく大人しい発言だったが、注目はエースの対決に集中していた。
バルサに対して引かず、正面からぶつかっていったPSG。
PSGはチェルシーやインテル、あるいはベスト16で対戦したミランなどバルサが過去に苦しんできたチームのように、極端に引いたアプローチはできない。この日も、バルサを前に全員で引くようなことはなく、正面からぶつかっている。
序盤、それは功を奏した。
エリア内でのラベッシのシュートが左ポストを叩いたのを皮切りに、パストーレのミドルシュート、イブラヒモビッチのFKなど、積極性を押し出し好機を作っていく。
前からプレスをかけてくるPSGを前に、バルサは思うようにパスが繋がらない。
ミランとの決勝トーナメント1回戦2ndレグで復活したかに見えた、前線からの激しいプレスとサイドを使った幅広い攻めは影を潜めた。足下ばかりでボールを受けようとする、そこには動きの少ない、悪いときのバルサがいた。
両チームとも攻撃の核となるイブラヒモビッチとメッシにボールを入れようとするも、どちらも警戒されていて、ボールが渡れば少なくとも2、3人で対応した。主役になるはずのふたりは、互いの包囲網の中で消されつつあった。