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イブラが咆哮! メッシは負傷……。
PSGは欧州CLに波乱を起こすか!?
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byGetty Images
posted2013/04/03 11:50
徹底的にマークされていたイブラヒモビッチだが、バルサゴール前の制空権は終始彼のものだった。
まずはメッシのアウェーゴール……ミラン戦とは違う!
そんな中、先にチャンスをものにしたのがメッシだ。
前半38分、左CKのクリアからアウベスが右足アウトサイドでのパスを綺麗にメッシの前に通す。走り込んだメッシはエリア内左からネットを揺らした。
「1点目はメッシへのプレゼントだった」とアンチェロッティは悔やんだが、PSGのミスというよりも、これはアウベスの技術が生んだ得点だろう。
ミラン戦では奪えなかった、貴重なアウェーゴールを手にしたバルサの突破は見えたかに思えた。しかしその数分後、このカードの行方を白紙に戻す出来事が起こる。
バルサ最大の誤算は、メッシの負傷交代。
「ネガティブだったのはメッシの負傷だ。彼の不在は2ndレグに向けても大きな痛手になる」とロウラ監督代行が振り返った、前半終了間際のメッシの負傷だ。
シュートの際に違和感を感じたメッシが手で押さえていたのは、かつて負傷に苦しんだ右大腿部裏である。先制点を決めるという仕事はやってのけたものの、彼の試合はたった45分間で終了することになったのである。
攻撃の中心がいなくなったバルサだが、後半は優勢に進めた。試合後、イニエスタとシャビは「試合をコントロールできていた」と口を揃えている。
しかしボールポゼッション(64%)に対する決定機の数(枠内シュート8本)と精度は、バルサのスタンダードからは離れていた。ビジャはシュートチャンスすら作れず、アレクシス・サンチェスは決定機をつぶした。随所に繊細な技術をみせたイニエスタも、相手エリア近くでは仕事ができなかった。
試合を決定づけることができないバルサを前に、同点弾(後半34分)を決めたのがイブラヒモビッチだった。
ロウラが「明らかなオフサイドだった」としたこの得点だが、チアゴ・シウバに競り合いで負けていたのも事実。PSGは「高さ」というバルサに勝る点を前面に押し出していく。