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本田、長友不在の日本をW杯へ導く!
ヨルダン戦、「トップ下・香川」の期待。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/03/15 12:10
メンバー発表前から怪我の影響で本田と長友の招集は難しいと予想されていたが、香川は「集まったメンバーで最高のパフォーマンスができれば。是非、この試合でW杯出場を決めたい」と語っていた。
「トップ下・中村、左サイド・香川」が定石だが……。
本田が不在の場合、先の欧州遠征を参考にすれば「トップ下・中村憲剛、左サイド・香川」が基本となる。しかしながら今回のヨルダン戦に限っては「トップ下・香川」も十分にザッケローニの選択肢に入っているように思えてならないのだ。
というのも、指揮官はトップ下の起用法についてこのように言及している。
「普段本田が担当しているトップ下を誰にするかについては、左右の2列目の構成をどうするかが大きく影響してくる。私は常々チームコンセプトとして『勇気とバランス』を言ってきたが、このバランスという部分で両サイドアタッカーの構成を見ながら、そして各々のコンディションや調整を見ながら決定していきたい。
ヨルダンに勝つには、チームとして相手を上回り自分たちの特長を最大限に出していくことが重要。チームとしてリズム、回転数が高いときに我々の長所が出てくる傾向が強い。リズムが落ちてしまうと相手がどこであろうと苦労する。そこは注意したい。では回転数を上げる、リズムを保つにはどうすればよいかというと、コンディションの良さが不可欠になる」
このコメントから考察すると、「バランスを考慮した構成」「コンディション」がキーワードになってくる。
「バランスを考慮した構成」なら香川は左に固執する理由が無い!?
2列目の先発候補は香川、中村、清武、岡崎慎司、乾貴士、大津祐樹の6人。
ザックジャパンでの実績を考えると、現実的には香川、中村、清武、岡崎の4人になる。まず「コンディション」で言えば、リーグ佳境に入っている欧州と、シーズンインしたばかりの国内組ではバラツキも出てくる。こうなると中村よりも欧州組の3人を優先させる可能性がまずあるということ。
そしてもうひとつ「バランスを考慮した構成」だが、長友が抜けているというのも大きなポイントだ。長友、香川の2人を軸に本田や遠藤が絡む左サイドの攻撃がザックジャパンの武器だが、“相棒”の長友、本田がいないことで香川を左に置くことに固執する理由がない。
では左サイドバックに誰が入りそうかと言えば、候補は駒野友一か酒井高徳の2人。
実績で言えば駒野だろうが、「コンディション」では酒井のほうに分があるのかもしれない。もし酒井が入ってくれば、同じシュツットガルトの岡崎を左サイドに持ってくる案も出てくる。