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ついに悪童バロテッリが母国帰還。
モヒカン・トリオが後半戦を席巻す!
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byREUTERS/AFLO
posted2013/02/05 10:45
ウディネーゼ戦で2得点デビューを飾ったバロテッリ。両手をゆったりと広げ、ふてぶてしくゴールに酔いしれた。
移籍後すぐに出場した試合で、鋭いシュートを連発!!
ユベントスやナポリにも今冬の獲得を画策させたバロテッリは、欧州トップレベルのフィジカルを持ち、2トップも1トップもこなせる高い戦術適応能力も備える。
3日のウディネーゼ戦では3トップのセンターに入り、MFモントリーボが放つくさびのパスの受け役になりながら、機を見て打つシュートはいずれも鋭かった。エルシャーラウィが狙った低空クロスのこぼれ球を左足で鋭く打ち抜いた1点目は、イタリア代表でいつ再現されてもおかしくないゴールだった。
ブラジルW杯予選を戦うプランデッリ代表監督も、コンディション管理のしやすさから、当然諸手を挙げてバロテッリの母国帰還を歓迎する。
「(ミラン移籍は)イタリアにとって大きなアドバンテージだ。マリオとエルシャーラウィとのコンビは、すごいポテンシャルを秘めている。年齢のことを考えても彼らの前途は明るい」
それでも懸念される、バロテッリのピッチ外での問題……。
懸念されるのは、やはりロッカールームの人間関係やグラウンド外の誘惑だ。
マンチェスターでさんざん振り回されたマンチーニ監督も、インテルOBのFWアドリアーノを引き合いに出し、「サッカー選手としての人生は短い。(酒と女に溺れた)彼のようにだけはなるな」と最後の忠告を送った。
一方で、昨季かぎりで多くのベテランが去った現在のミランには、羽目を外す若手へ睨みを利かせる重鎮選手がいない。アンチェロッティ時代のチームにあった上下関係や序列意識は相当希薄になっている。
現指揮官アッレグリも来季以降の去就が定まらず、お目付け役不在のまま、破壊力だけは手に入れた若いチームの足取りはどこか危うい。