野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
新春恒例! 「もつ鍋わたり」店主の
2013年プロ野球“直球”大予想。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byTamon Matsuzono
posted2013/01/04 08:02
プロ25年目の谷繁は、FA権を行使せず、昨年末に1億9千万円で契約更改。「阿部(慎之助/5億7000万円更改)より4億円ほど少ない金額で(判子を)押しました」と笑いながら中日での活躍を誓った。
図太い神経の福留なら人気球団の重圧は問題なし。
――その阪神はこのオフの補強で、大金を叩いて西岡・福留というメジャー帰国組を獲得し賛否を呼びました。特に福留は当初は3年15億も要求してたなんていう報道もあって、結果を残さなければかなり厳しい目に晒されることが予想されます。
「まぁ、西岡も福留も悪くないとは思うんだよな。城島もそうだったけどよ、ああいうオラオラの感じじゃないと、阪神みたいな人気球団で外様がやっていくのは難しいだろ。福留とは社会人の時に“ドラフト注目の選手”とかいって、雑誌で対談する機会があったんだけどな、初対面で『はじめまして』もなく、『わたりさん、また背のびたんちゃいますぅ?』と来たもんだ。……テメェ誰だって話だろ。まぁ、プロはそんぐらい図太いヤツの方がいいんだよ。何を言おうがグラウンドで結果を残した奴が勝ちの世界だからな」
――では、その福留獲得に敗れたベイスターズはどうでしょう。ドラゴンズからブランコ、ソト、ソーサと外国人を一挙3人獲得し、今年こその期待が高まっていますが。
「うちの店でも最近うるせーんだよ。『今度こそ強いんじゃないですか?』ってさ。変わんねぇっての。『でもソトとソーサがくるじゃないですか!』って。ソトだか内だかしらねぇけどよ、そいつが何勝するんだって。キャッチャーが送球顔面直撃の鼻血ブーへー(小田)じゃなきゃ使いもんにならねぇかもしれねぇぞ」
「山口、何が契約更改で文句言ってんだ。バカ野郎」
「野球はカードゲームじゃねぇんだから、個々のいい選手を獲ったって、チームが勝ち方を忘れていたら意味ねぇんだ。その辺、ヤクルトなんてゲームの流れをわかってんから勝ち切れるんだよ。宮本さんみたいな存在がいるからな。モバ浜にはそれがいねぇ。『めんどくせぇなこの人、うるせーしきびしーし』っていう怖いもんがいねぇと、若手は舐めるのよ。石川あたり生意気なのがガンガン引っ張って行けりゃいいんだけどな。個性が強かろうが性格が悪かろうが仲悪かろうが、勝てばチームはできてくる。誰を獲るじゃなくて、もっと根本的なものを変えねぇと。変わるしかねぇんだよ。モバ浜の選手が今、一番チャンスがあるのにもったいねぇよな」
――でも、昨秋の地獄と銘打たれた奄美キャンプを経て、これまでの甘えた空気が払拭され覚悟が変わったような気もしますよ。
「中畑さんは今年で終わる腹は決めてんだろうけど、選手はどうかね。この前山口と高崎とゴルフしたんだけどよ。もう何も言わなくても俺と木塚が仲いいの知ってるから、山口が『木塚さんにはめちゃくちゃ世話になったんです』なんて言ってくんのよ。テメェ、世話んなったんなら、ビッと活躍して『木塚さんが厳しく指導してくれたおかげです』って言ってみろよ。恩返ししてみろよ。何がテメェ契約更改で文句言ってんだ。しらねぇよバカ野郎。山口が頑張ったのは知ってるよ。けどよ、あのチームじゃ山口の1敗は他の投手の5敗分のダメージがあるんだ。あいつは絶対に負けがついちゃいけねぇ。そういうピッチャーなんだよ」