日本代表の要となるのは、実はサブプレーヤーである。

  そして彼らもレギュラーシーズンに向けての調整を犠牲にしなければならないのだ。

  本来ならオープン戦で実戦の試合勘を呼び戻し、生きた球を打って打撃の調整をする。シーズンに向けて一番、大切なその3月にWBCに出場すれば、打席に立てず守備固めだけだったり、グラウンドにすら立たないことも多くなる。

  ただ、そういう過酷な立場は分かっていても、もしアクシデントが起こったときに、極端に戦力を落とさないために、彼らはどうしても必要な存在なのである。

  第2回大会ではレギュラーの中島裕之内野手（西武からフリーエージェント）が風邪による発熱で欠場したときには片岡が、村田修一内野手（当時横浜）がケガしたときは川崎が、その穴をきっちり埋めた。

「代表チームといえども、レギュラーがしっかりと固定されているチームは強い。ただ、チームの危機管理として一番大事なことは、実はこの控えに誰を置くかということなんです。だから僕はそういうサブプレーヤーを誰にするかという点に、選手選考では最も神経を使いました」

  それが第2回大会の世界一の陰の要因だったと原監督は説明した。

3連覇のカギを握るのは、熱い心を持つスーパーサブだ！

  11月30日。山本浩二監督率いる新生侍ジャパンの登録メンバー28人が発表される。

  山本監督がキャプテンに指名する阿部捕手を中心に巨人の坂本勇人内野手、長野久義外野手、また日本ハムの糸井嘉男外野手や中日・大島洋平外野手、ソフトバンク・松田宣浩内野手ら、野手陣はさきのキューバとの強化試合のメンバーを軸に選出されることになるのは確実だ。

  その中で、レギュラー陣の回りを固めるサブプレーヤーたちがどういう構成になるのか？  そこも実は3連覇への大きなカギとして注目されるところなのである。

  ベンちゃん（和田）のように、泣けるハートのサブプレーヤーが入っていれば……。メジャー組抜きの純国産チームでも、3連覇の可能性は大いにあると予想したい。