毎節が査定試合。試練のロープをストラマは渡りきるか。

　3節を終えたセリエAでは、早くも同業者のクビが飛んだ。今季の解任第1号は前評判の高かったはずのパレルモのサンニーノ監督だった。後任は、昨季開幕時にインテルを率いていたガスペリーニだ。

　不調が続くセンターバックの強化や33歳になったFWミリートのリザーブ要員不足など解決すべき問題は多々あり、本拠地サン・シーロでの勝負弱さが完全に払拭されたわけではないが、ストラマは国内外でターンオーバーを使い分けながらセリエAとELを戦う目処をつけたようだ。3節トリノ戦では、左SBとして先発した長友佑都を後半から右にコンバートするなど、守備陣と中盤をシャッフルし、前半に見られた攻守の歪みを見事修正している。

「国内外で主役を張れるインテル再建のために、このシーズンは重要な1年になる。絶対後退はしない」

　ストラマッチョーニは、1年どころか1試合ごとに細いロープの上で綱渡りをしている気分にちがいない。師ゼーマンに太刀打ちできるようになるのは、ELグループリーグを勝ち抜いて、肩の力が抜ける頃だろうか。