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UAE戦でザックジャパンを総チェック。
イラク戦を前に見えた“嬉しい悩み”。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2012/09/07 12:20
本田からのクロスを頭で合わせた前半30分、酒井宏のクロスにダイビングヘッドでゴールを脅かした同45分と、ゴールシーン以外でも、その194センチの高さで威圧感タップリだったマイク。
不動のボランチ長谷部誠のコンディションは大丈夫!?
「2人ともよくやってくれた。いくつかの場面で状況を読み切れず、うまく対応できていないところもあったが、これは2人の問題ではない。あくまでディフェンスライン全体の問題だ」とはザッケローニ。
今日の内容だけで言えば水本に分があるとはいえ、決め手になったとも言い難い。伊野波か、水本か……ここはギリギリまで悩みそうな気配である。
また不動のボランチである長谷部誠のコンディションも気になるところ。
所属するヴォルフスブルクで出場機会に恵まれていない影響もあるのか、らしくないミスもあった。指揮官が後半開始から細貝萌を投入したことを考えても、長谷部の状態が上がってこなかった場合を想定しているのかもしれない。
五輪組の清武と酒井宏をセットにして使うことに新たな光明を見た!
続いて「嬉しい悩み」に話を移していこう。
前半、停滞した時間帯が多かったなかで光っていたのがロンドン五輪組の清武弘嗣だった。
精度の高いパスでチャンスをつくり出し、前半終了間際にはサイドチェンジで右サイドの裏に出た酒井宏樹にボールを出し、そこからハーフナー・マイクのシュートにつなげている。後半こそ消えた時間帯もあったが、今までのパターンとは逆の「右サイドで崩して左サイドで決める」というバリエーションの確立を予感させた。
ザッケローニは五輪組の清武と酒井宏をセットにして使うことでその効果を見ていた。2人のコンビネーションで崩した場面も何度か見られたため、このコンビをイラク戦で先発させる可能性は十分あるように思う。
ただ、清武が先発したことによってサブに回った岡崎慎司も後半開始から出場し、その強い存在感を示している。
彼は入ってすぐに本田圭佑のパスに食らいつき、倒されてファウルを得た。前半は全体的にこういった球際でガツガツ競り合うような場面が少なかった。岡崎の激しさ、仕掛けに対する意識が、後半の流れをつくったと言っていい。守備の貢献も大きかった。