ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
エジプト戦完勝で、メダルが見えた!
全ての課題をクリアした関塚ジャパン。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2012/08/05 12:00
追加点を決めた吉田が、渾身のゴールパフォーマンス! お笑いコンビ「タカアンドトシ」と約束していたという“俺だ俺だ俺だ俺だ”のギャグ。
スペイン戦時より、はるかに成長していた関塚ジャパン。
ここまでは、スペイン戦と同じような展開だった。
前回は、ここから何度も決定機を作ったが追加点を奪えなかった。ラクに勝てる試合を自分たちで苦しくしてしまったのだ。それが尾を引いたのか、グループリーグは、3試合でわずか2点しか取れなかった。だがエジプト戦、彼らはスペイン戦とは違って、見事に成長した姿を見せてくれた。
まず、ボールをしっかりと回し、相手の体力を奪っていった。気温が高かったせいもあり、エジプトの動きは徐々に止まり始めた。
そうして、動きを止めた後半33分、清武のFKから吉田がヘディングゴールを決めて追加点を奪ったのである。「この2点目で勝てた」と永井は思ったそうだが、このゴールは日本に勝利を確信させ、エジプトに決定的なダメージを与えた。
カウンターやセットプレーも機能し、先制、追加点、ダメ押しまで!
実際、それまで必死に防戦してきたDFアハメド・アラーは足が痙攣し、リタイヤ。すでに3人の交代枠を使用していたエジプトは、そこから9人になった。2点目から5分後、扇原貴宏の左からのクロスを大津祐樹がヘディングで決めて、3点目を奪い、試合を終わらせたのである。
終わってみれば、カウンターからのゴールあり、セットプレーからのゴールもあり、また先制、追加点、ダメ押しと理想的な点の取り方でエジプトを圧倒した。
試合前の懸念は一掃され、堂々たる勝ちっぷりで、ベスト8の壁を突き破ったのである。
「今日は、先制ゴールから途中、踏張って我慢もできた。追加点も取れたし、勝つべくして勝った試合だと思います」
試合後、吉田は、そう言った。
「勝つべくして勝った」という言葉は、完勝と同義語である。
実際、後半などは危ないシーンはほとんどなく、日本は隙を見せなかった。取れなかった追加点も奪い、相手にトドメを刺して勝った。