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バルサのサッカーこそが
岡田ジャパンにつける薬だ!! 

text by

杉山茂樹

杉山茂樹Shigeki Sugiyama

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photograph byGetty Images

posted2010/05/01 08:00

バルサのサッカーこそが岡田ジャパンにつける薬だ!!<Number Web> photograph by Getty Images

監督3年目を迎えたバルセロナのジョゼップ・グアルディオラ。3冠達成後もチームの勢いを保ち続けているのは名将の証か

格上相手のW杯ではボールを「奪う」プレッシングに活路が。

 W杯本大会で戦うカメルーン、オランダ、デンマークは、日本より明らかに格上だ。親善試合の相手、アジア予選を戦った相手とはワケが違う、まさに強者だ。弱者である日本は、いつものように強者面で戦うことはできない。

 プレーの始点もマイボールではなく相手ボールになる。よって考え方も、まず「作る」からまず「奪う」へ改める必要がある。奪うことが得意な選手、ボールを追いかけることが得意な選手も、これまでより多く配備しなくてはならない。できるだけ高い位置でボールを奪い、相手の守備陣形が整う前に攻めきるプレッシングサッカーは不可欠なのだ。

 南アフリカの6月は冬。今回のワールドカップは通常より低温のなかで行なわれる。高地対策さえ怠らなければ、通常より走れるのだ。ボールを追いかけやすいプレッシングに適した気候なのだ。プレッシングこそが番狂わせの活路になる。

芸術的なサッカーなどいらない。ただボールを追いかけろ!

 バルサも採用したサイドバックを両サイドに縦に2人並べるやり方は、「奪う」「追いかける」というプレッシングのコンセプトに基づいている。日本のサイドバックは、長年サイドをひとり任されてきた経験があるので勤勉だ。まさにプレッシングに適した人材になる。ボール操作ではダニエウ・アウベスやマクスウェルより数段劣るが、ボールを奪う、追うという行為に技術はいらない。高い位置で奪うことに成功すれば、形を作ったも同然なので、芸術的なプレーは不要になる。日本のサイドバックの技量でも何とかこなせるのではないかと僕は見ている。

 4人のサイドバックで織りなす四角形のフレーミングがしっかりしていれば、相手が4-3-3的な布陣からサイド攻撃を仕掛けてきても、そう簡単に屈することはない。前向きに検討する必要を大いに感じる。3-4-1-2に戻し、後ろで守りを固めるサッカーを目指すより、100倍も200倍も進歩的だと僕は思う。バルサのサッカーを見ていると、そう言わずにはいられないのである。

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