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巨人も中日も負け方がおかしい?
6点差からの逆転負けに、不吉な兆し。 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byNaoya Sanuki

posted2010/04/19 13:05

巨人も中日も負け方がおかしい?6点差からの逆転負けに、不吉な兆し。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

ここ20年間で最高勝率のチームでも40敗以上はする。

 ここ20年、セ・リーグの優勝チームでもっとも勝率が高かったのは、'90年の巨人で88勝42敗、勝率は6割7分7厘だった。つまり、どんなに強いチームでも、40敗以上はするのだ。

 V9時代の巨人も、'80年代から'90年代にかけて黄金期にあった西武でさえも、40敗しなかった年はない。勝率でいっても6割前後だ。

 つまり、森さんの言葉をシーズンに置きかえれば、現在の144試合制なら、ペナントレースは「どうやって40敗から55敗するかが大事なのだ」ということになる。

 長嶋監督には、果たして、そういう発想があったのだろうか。そして、原監督や落合監督には?

6点差から逆転された年は、最後に負けるチームになる!?

 というのも、そう考えていたとしたら、たとえローテーションの谷間だろうがなんだろうが、6点もリードしたゲームは、いかに落としてはいけないゲームかがわかると思うのだ。

 もちろん、わかってはいても、いかんともしがたいことがあるのが勝負の世界の難しさでもあるのだが……。

 ちなみに、前回、6点差を逆転された試合があった'07年、巨人はリーグ優勝を遂げている。ただし、そのあとのクライマックスシリーズでは2位の中日に0勝3敗で完敗した(クライマックス初年度の'07年は、1位チームに対する1勝のアドバンテージはまだなかった)。まだわずか3年のデータしかないものの、両リーグ通じて、シーズンの1位チームがクライマックスシリーズで敗れたのは'07年時の巨人だけである。

 参考までに、中日が前回、6点差を逆転されたのは'04年のことである。その年、中日は2位のヤクルトを7.5ゲーム差と引き離し、ぶっちぎりで優勝を飾っている。日本シリーズでは惜しくも、西武に3勝4敗で敗れてはいるが。

 やはり、データだけがすべてではないのかもしれない。だが、そうは言っても、6点差の逆転負けというのは気になる負けではある。

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