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開幕戦優勝は新ヒロインの斉藤愛璃。
女子ゴルフ界は2012年も百花繚乱!
text by
月橋文美Ayami Tsukihashi
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2012/03/08 10:30
アマチュア時代の出場を含めて通算11勝目での斉藤愛璃の優勝は、宮里藍らの記録をしのぐ日本人最速記録となった。身長は165cmで、体重は55kg。趣味はカラオケとのこと。
今年も3月第1週、男子ツアーに先がけ、華々しく開幕した国内女子(LPGA)ツアー。開幕戦・ダイキンオーキッドレディスは、例年にも増して話題豊富な3日間となった。
“百花繚乱”の言葉そのままに、初日は首位に6選手が並び、3打差以内に36選手がひしめく大混戦の様相でスタート。2日目、新星・斉藤愛璃が8バーディー、ノーボギー64の猛チャージで抜け出し、最終日はプレーオフによる決着という、スリリングな試合展開だった。
今季1つめの優勝トロフィーを射止めたのは、22歳のニューフェース、斉藤。神奈川県厚木市に生まれ育った「ハンバーグとオムライス、それにクリームソーダが大好物。あ、厚木名物B級グルメのシロコロホルモンも忘れちゃいけないですね」という、平成元年生まれの、まさに現代っ子だ。
県立厚木北高校卒業後、プロテストに失敗し、一昨年、昨年はQT(クォリファイングトーナメント=ツアー出場ライセンス、シード選手以外の出場優先順位を決める4段階の予選会)からツアーメンバー登録、プロとして2年間でレギュラーツアー合計8試合の出場経験がある。昨年7月、3度目のプロテストで合格、晴れてLPGA会員となり、さらには12月のファイナルQTで31位に。「今年は初めてフル出場権も取れたし、自分はプロなんだという意識が本物になった。得意のパッティングで強気にガンガン攻めていくゴルフを見せたいです」と話していた矢先の、センセーショナルな初勝利だった。
「どうプレーしたのか、一つ一つの内容を覚えてないくらい!」
大会2日目の64は、自身のベストスコアを一気に4打更新するビッグスコア。今オフ取り組んだウェイトトレーニングによる筋力アップで、10ヤード伸ばしたドライバー飛距離と、「2年間のツアー出場でグリーンの硬さや速さ、ピンポジション等、トーナメントセッティングの難しさを経験して、いろいろなアプローチを学び、練習した」という小技が見事にかみ合った。とくに力を入れてきたという「100ヤード以内の距離」のショットも精度を増し、この日は4つのパー5すべてでバーディー奪取。そのうち2つは第3打をピンそば50センチにつけるスーパーショットを見せていた。
「今日はとくに終盤ものすごく集中できてて、どうプレーしたのか、一つ一つの内容をきちんと覚えてないくらい。たくさんのカメラマンさんに囲まれたけど『すごい数だなぁ』って、客観的に見てました」と、強心臓ぶりも垣間見せたが、2位に2打差の単独首位で迎えた最終日は、出だし1番ホールでダブルボギーを叩く波乱の発進。初体験のトーナメントリーダー&最終日最終組に「平静なつもりでいたけど、力んでしまった感じ。いつもの自分じゃないなと思った」と話した。