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開幕戦優勝は新ヒロインの斉藤愛璃。
女子ゴルフ界は2012年も百花繚乱!
text by
月橋文美Ayami Tsukihashi
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2012/03/08 10:30
アマチュア時代の出場を含めて通算11勝目での斉藤愛璃の優勝は、宮里藍らの記録をしのぐ日本人最速記録となった。身長は165cmで、体重は55kg。趣味はカラオケとのこと。
イップス状態だったドライバーショットが逆に得意に!?
昨年中盤には「イップス状態でした」と明かしたドライバーショットが、“新兵器”(テーラーメイド社製『GLOIRE』)で復活どころか、一番の自信に。「振るのが恐くて、どこを向いて立ってるのかさえわからなくなった時期もあったのに、今、メチャクチャいい感じなんですよ。飛距離も戻った、というより5ヤードぐらいキャリーが伸びている感じだし、ゴルフが楽しくなってきました」という。「今年はこれまでで一番の準備ができた。自分に期待できる開幕です。あとはいい成績を出して、結果で自信をつけたい」と話しただけに、復活Vを手にするのも時間の問題だ。
女王アン・ソンジュが日本ツアー初の予選落ち!
水面下では、女王アン・ソンジュの日本ツアー49戦目にして初予選落ち、という予想外の出来事も起こった開幕戦。
それでも、このアンと、5位タイフィニッシュの好発進を切った横峯さくらを軸とした賞金女王争いが、今季のツアーを引っ張っていくことになるだろう。また、そこに一枚かみそうなのが、プレーオフ1ホール目に敗れはしたが開幕から好調ぶりをただよわせたイ・チヒ(李知姫)。さらに言えば、ジョン・ミジョン(全美貞)、馬場ゆかり、佐伯三貴、北田瑠衣らランキング上位常連から抜け出し、女王候補を狙うのは誰になるのか――。故障で開幕戦を見送り、4月の戦線復帰を予定する有村智恵、大山志保にも、心配と期待が交錯する。
最終日に68と本領発揮、1985年製=四半世紀前のクラシックパターを手に通算51勝目をにらむ不動裕理をはじめ、藤田幸希、福嶋晃子の“新妻トリオ”の活躍にも注目。
さらには「今季ステップ・アップ・ツアー(LPGA下部ツアー)2勝」を公言した大型新人・工藤遥加、今夏プロテスト受験予定の比嘉真美子のアマチュアVはなるか。
もちろん韓国勢による日本ツアー包囲網もさらにパワーアップ、一昨年韓国ツアー賞金女王のイ・ボミら新勢力の台頭は間違いないところだ。
大会上位陣を見ると、服部真夕、森田理香子、青山加織ら“岡本綾子門下生”、初シードを目指す菊地絵理香、初Vを目標に掲げる木戸愛らも元気はつらつ。今シーズンの女子ツアーの活況を予感させるに十分な開幕戦となった。
2012年LPGA、面白くなりそうだ。