野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
イケてるブランドと続々コラボ。
いま“プロ野球”がおしゃれなのか!?
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byXLARGE/Hidenobu Murase
posted2012/02/21 10:30
XLARGEのプロ野球コラボモデル。カラーは球団カラーと白、黒。3月下旬に各5250円で発売予定とのこと。ベイスターズはキャラクターが決まっていないのでこれから、バファローズはデザイン検討中、ジャイアンツは今のところ無いけど……と、もろもろ進行中ですので、要注目です!
おしゃれ。
少なくとも筆者が子供だった'80年代には野球界とは無縁であったこの概念。プロ野球選手のおしゃれといえば、紫ダブルのスーツに金のネックレス。アニマルプリントにウエストポーチ。パンチパーマに裏地の刺繍。それらをキメて歌合戦でムード歌謡を熱唱する激烈な記憶が遺されている。
'90年代中盤、野球界はイチローの登場により革命がもたらされることになるのだが、それはプレーだけではなく「dj honda」の帽子を被っていた、ということも付記しておかねばならない。
しかし、それでも野球界におしゃれは定着しなかった。それどころか、その後、故仰木監督もdj~を愛用したことで「年配の人もいける」という空気ができあがり、やがて裏町には同ブランドの帽子をかぶったホンダのおっさんが大量に溢れることになるのだが、それは長年大衆文化として親しまれてきたプロ野球というブランドの仇花ともいえよう。さらにいえば「おっさんの野球帽のマークを見れば5年前に黄金時代だったチームが分かる」という自説確立への重要な論拠へと繋がるのだが、それはまた別の機会に(ちなみに山谷地区などにいたオッサンがみんな野球帽をかぶっているのは、ファッションでも贔屓球団の主張でもなく「酔っ払って転んでも頭を打たないように」ということらしい。数年前、山谷で飲んだ時におっさんに聞いた)。
この20年で劇的に変化したプロ野球界のおしゃれ事情。
横道にそれた。
この20年で日本のプロ野球界を取り巻く環境は劇的な変化を遂げた。その中でもおしゃれ事情に関しては、カラーバットからビヨンドマックスになるぐらい一気に飛躍した感がある。
ここ最近、インタビューなどで若い選手と対面してもその私服は実におしゃれだ。前々回の山下書店の岡野店長の話で「プロ野球選手が買っていく本はほとんどがファッション誌」と言っていたのもなるほど納得。ちょっと前にダルビッシュが大麻のプリントされたTシャツを着て米国に上陸したことがニュースになったが、'80年代のジャパニーズマフィア風日本人選手がアメリカの地に降り立ったことを想像すればどうということはない。