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欧州王者バルサが開始5分で見せた、
南米王者サントスとの歴然たる差。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byTakuya Sugiyama
posted2011/12/19 11:55
試合終了後、お互いを称え合ったメッシとネイマール。「ひとつだけ言えるのは、勉強になったということ。それ以上はコメントできない……」とガックリとうな垂れてコメントしたネイマール
19歳の“ブラジルの至宝”を完全に抑えた33歳のDF。
後半も一方的にバルセロナが主導権を握った。
サントスがチャンスを迎えたのは、バルセロナの連係にミスが生じた時だけ。55分にはバルセロナ守備陣の連係ミスを突いたネイマールがゴールに迫ったが、V・バルデスの好セーブに阻まれ一矢報いることさえもままならない。直後にはグアルディオラ監督がプジョルを呼び、途中出場したばかりのハビエル・マスチェラーノに対する指示が送られた。その余念のなさに、バルセロナの強さを垣間見た。
守備面では、前半終了時にネイマールがユニフォーム交換を求めたプジョルの奮闘が際立った。要所で体を張るキャプテンは、ブラジルの若き才能を完全にシャットアウト。ネイマールが視界に捉えたシュートコースには、常にプジョルの分厚い体が立ちはだかった。
70%前後のボール支配率を維持し続けたバルセロナは82分、電光石火のカウンターで抜けだしたメッシが最後は鮮やかなステップでGKをかわし、4点目を奪取。試合はそのまま4-0でタイムアップを迎え、バルセロナが2009年以来2度目の世界制覇を成し遂げた。
ボール支配率71%対29%。この差に最も驚いたのは……。
バルセロナとサントスの拮抗した頂上決戦を期待していた世界中の人々にとって、それは大きく裏切られる結果となった。
両者の間には、チームの完成度において歴然たる差があった。ボール支配率は71%対29%。バルセロナのサッカーを初めて体感したサントスの面々、さらに会場に詰め掛けた6万8000人の観衆はもちろんだが、誰よりもその差に驚いているのは、サントスとの差を体感した柏レイソルの選手たちかもしれない。ただしそれは、決してネガティブな驚きではない。