ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
<五輪代表連続インタビュー#1>
GK・権田修一 「僕は今のチームの
一体感を大事に戦いたい」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byToshiya Kondo
posted2011/10/25 10:31
A代表とU-22代表両方のチームの空気を知る権田修一。オリンピックは1996年から4大会連続出場しており、今回ロンドン五輪出場が決まれば5大会連続となる
◆◆ 権田修一を知るための7つの質問 ◆◆
<質問1> 自分がGKに向いていると初めて思ったのはいつ?
「自分がGKに向いていると思ったことはないです。小学生の頃はFWだったけど、中学、高校と進むにつれて、サッカーのポジションではGKしかできないなと思った。本当はゲームメイクとかしたいんですけど、なんせ技術がないんで」
<質問2> フィールドプレイヤーになり代われるとしたら誰になりたい?
「ユベントスのピルロ。ピルロがボールを持つと、みんな動くじゃないですか。王様のようにゲームを支配している感があって、いいなって思いますね」
<質問3> もし願いがひとつ叶うとしたら?
「年を取らない体がほしい。年を取って練習だとかがいっぱいできなくなって、体が動かなくなるのがいやなんです。カズさんぐらいできればいいですけど、普通はそうもいかないじゃないですか。この前、(長友)佑都君とサネッティの話をしたんですけど、サネッティって38歳の今もバリバリ練習しているそうなんです。日本では30歳でもうベテランって言われるけど、それは早すぎる。僕は40歳になってもフルメニューをこなせるくらいの体がほしいですね」
<質問4> 最近、印象に残った本は?
「まず『名将への挑戦状~世界のサッカー監督論~』という本です。いろいろな監督の考え方が書かれていてすごく面白かった。僕、サッカー本が大好きなんですよ。この前も阿部(勇樹)さんの『泣いた日』、(川島)永嗣さんの『準備する力』、『監督ザッケローニの本質』を買いました。小説はあまり読まないですね。読み始めると最後まで読みたくなって寝られなくなるので」
<質問5> 辺境のチームに移籍が決定。でも奥さんは行きたくない。どう説得する?
「俺、メシどうしたらいいの? って言います(笑)。でも、危ない街なら連れていきたくないですね。心配でサッカーに集中できなくなってしまうと思うので」
<質問6> 最近どんな夢を見ました?
「山岸(範之)GKコーチに、寝る前にスーパーな自分をイメージしてから寝てみろと言われて、タジキスタン戦の前日に試してみたんです。そしたらタジキスタン戦に出て、ぜんぜん点を取られないで大活躍したんです。翌朝、目が覚めたら夢かぁーってがっかりしたけど……。最近は奥さんと旅行する夢を見ました。最初はイタリアにいたんですけど、瞬間移動でパリの凱旋門に行くんです。夢だけど本当に楽しくて、起きてすぐ奥さんに電話しました。夢じゃなくて本当に連れてってと言われましたけど(苦笑)」
<質問7> あなたがチームメイトに望むものは何ですか?
「気持ち、ですね。目の前のやつに簡単に抜かれたのに何も感じないとか、抜かれたのに追わないとか、シュートを打たれた瞬間に顔を背けるとか、そういうのはだめ。北朝鮮戦でヤット(遠藤)さんのシュートを顔面で受けて倒れた選手がいたけど、国のために体を張る、ああいう気持ちって大事だと思うんです。それをしないのはイライラしますね。僕の好きなピルロも、足は遅いし体もないけど、ボールを取られたら必死に取り返そうとしますからね。どんなにうまい選手でも気持ちは重要だということです」
権田修一(ごんだしゅういち)
1989年3月3日東京生まれ。さぎぬまSCからFC東京のユースへ。'07年の高校在学中にトップチーム昇格。以降、正GKの座を塩田仁史と競いつつ活躍中。U-17から日本代表に選ばれる。後にA代表にも選ばれている。 187cm/83kg