ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER

A代表に選手をとられたU-22代表。
穴を埋める新たな救世主はいるのか? 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2011/10/24 10:31

A代表に選手をとられたU-22代表。穴を埋める新たな救世主はいるのか?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

2005年の第1回世界幼少年サッカー大会で優勝、2009年のU-17W杯では10番のユニフォームで世代を代表するエースとして戦っていた柴崎岳。同世代が海外の有名クラブへ移る一方、自らは今季は右足を骨折するなど、悔しい想いは人一倍あるはずだ

 17日から19日まで、U-22日本代表合宿が都内で行なわれた。今回のテーマは、7名もの新メンバーが選ばれたことから読み取れるように、新戦力の発掘とチームコンセプトの浸透にあった。

 原強化担当技術委員長のA代表と五輪代表の掛け持ちはさせないという判断から、清武弘嗣と原口元気の2人が、もしブラジルワールドカップ3次予選、タジキスタン戦(11月11日・アウェイ)と北朝鮮戦(15日・アウェイ)に招集された場合、ロンドン五輪最終予選のバーレーン戦(22日・アウェイ)、シリア戦(27日・ホーム)は、出場不可になる。

 また、 ボランチでキャプテンの山村和也も左足第5中足骨骨折の手術を受け、11月の2試合は出場が困難になった。このままでは、攻撃の飛車角に加え、チーム結成以降、全試合に出場したキャプテンが抜けたまま、バーレーン戦を迎えるという緊急事態に陥る。

 それだけに、新戦力の発掘は、急務だった。しかし、合宿最終日、町田ゼルビア(JFL)との練習試合で、見えてきたのは、やや不安な材料だった。

新戦力組への関塚監督の期待の高さがうかがえたが……。

 前半、新戦力組の中から唯一抜擢され、主力組でプレーしたのは、金崎夢生だった。右サイドの清武のポジションに入り、攻撃面における関塚監督の期待の高さがうかがえた。ところが序盤から連携が噛み合わず、相手の早く鋭いチェックにボールを失うシーンが度々見られた。ようやく30分過ぎにシュートを放ち、山崎亮平に質の高いクロスを上げるなど、多少らしさは見せたものの、動きに本来のキレがなく、及第点には程遠い出来だった。

 後半、選手を入れ替えて、高木俊幸が左サイドに入ったが見せ場はシュート1本だけで、これといった活躍は見せられなかった。ボランチに入った柴崎岳も守備では堅実なプレーを見せたが、攻撃では決定機を決め切れないなど凡庸な出来に終わり、一緒にボランチを組んだ山本康裕、さらに扇原貴宏や山口蛍ら常連組の尻尾に食らい付くまでには至らなかった。

 残念だったのは、新戦力組に「俺がポジションを奪い取ってやる」という気迫がほとんど感じられなかったことだ。町田の方がはるかに気持ちが入って、球際も強かった。どこかお客さん的な雰囲気で、チームコンセプトを守ることに汲々とし、自分本来の良さがほとんど出ていなかった。

【次ページ】 チームのバランスよりも持ち味のアピールが優先では?

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