プロ野球亭日乗BACK NUMBER
日本ハム・中田翔の旬を逃すな!
~若手育成の難しさ~
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2009/06/03 06:01
一軍昇格も「生殺し」。日ハム・中田の運命は?
早くきちっと使わないと絶壁から転落してしまうのではないか……。いま、そんな思いで私が見守っている選手がいる。
日本ハムの中田翔内野手だ。
昨年、鳴り物入りのドラフト1巡目で入団したが、その後はずっとファーム暮らし。今季も2軍スタートだったが開幕から40試合で13本塁打を放ち打率3割をキープして1軍昇格のチャンスをつかんだ。
しかしチーム事情もあってなかなかお呼びがかからなかった。5月20日にようやく1軍昇格を果たしても、打線が絶好調の余波もあり5月の先発出場はわずか1試合。その後、代打でも4打席起用されて5月の成績は8打数3安打。今のところファームから登ってきた坂道からは転落はしていないようでもある。
もちろんチーム事情など、起用する梨田昌孝監督にはそれなりの考えがあることは十二分に分かっている。それでもあれだけ話題になった中田を、いま生かすも殺すも指揮官の胸三寸ではないか、という思いも強くする。
生殺しのような起用で「好調」の崖から転落したあとの中田だけは見たくはない。