スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
破綻した怪人と大物後継者。
~絶不調リバプール、ベニテス監督の”次”は誰?~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2010/01/22 10:30
FAカップ敗退が決まった翌々日の1月15日には、ファンに対する謝罪文を自ら読み上げた
リバプールが切り捨てるなら日本サッカー協会が……。
ただ、どうだろうか。リバプールは伝統的にシーズン途中での監督交替劇を好まない。いま名を挙げた候補者たちも、この時期の引継ぎにはあまりいい顔をしないだろう。わずかに可能性があるのは、かつてキング・ケニーと呼ばれた「リバプールの伝説」ダルグリッシュだろうが、彼とて10年前にセルティックを率いて以来、監督の座には就いていない(リバプールの監督を辞めたのは'91年のことだった)。
そんなダルグリッシュが、今日ただいま火中の栗を拾うような行動に出るだろうか。ロシアをワールドカップへ導きそこなったヒディンクや、アメリカで充電中のクリンスマンなどにも就任の目はないとはいえないが、大穴はモウリーニョだ。もっとも、彼の場合には「ファーガソンの後任」という壮大なシナリオが依然進行中のはずだ。リバプール・ファンの頭痛はつづくだろうが、私としてはベニテスの今後も気にかかる。いますぐとはいわぬにせよ、日本サッカー協会に彼を招き寄せる気はないのだろうか。