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スター不在なのにセリエAが面白い!
~開幕2戦で見えた“化学反応”~
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byUniphoto Press
posted2009/09/06 08:00
ブレーメンから新加入のジエゴが期待通りにユーベを牽引している
空回りし始めているレオナルド新体制。
ミランの開幕白星スタートは砂上の楼閣だった。カカ放出のトラウマを引きずったまま、恐るべき弛緩ムードがチーム内に蔓延しており、新指揮官レオナルドのやる気は空回りしている。ダービーでの4点差負けは35年ぶりのこと。この醜態を見た下位チームは“ミラン怖れるに足らず”とばかりに挑みかかってくるだろう。今季、ミランにとって楽なゲームはもう一つも残っていないのではないか。
戦力の上積みのなかったローマは勝ちきれずにいまだ勝ち点0に終わっている。だが、大胆にも「スクデット宣言」をしたゼンガ新監督のパレルモや、昇格組ながら移籍市場で次々とインパクトある補強を敢行したパルマは伏兵になりそうな兆しを見せている。
積極的に改革を進めたチームは上昇気流に。
まだ国中のバカンス気分が抜け切らないイタリア。スタジアムの観客の入りは今一つだ。しかし、開幕2節いずれのカードもプレー内容そのものは濃く、熱戦も多かった。結果を出しているのは、過去にこだわらずに、新戦力や新監督といった変化要素を積極的に転化させたチームだった。フェラーラはデル・ピエーロをベンチに置くことを躊躇わないし、インテルにはもうイブラヒモビッチへの遺恨などない。代表ウィークを経て、各チームはまたどんな化学反応を見せてくれるだろうか。