第100回の記念大会だった箱根駅伝は、青山学院大学が10時間41分25秒の大会新記録で圧勝をするという結果になりました。激闘を彩ったチームの指揮官にお話を聞くオリジナル動画シリーズ「箱根駅伝“後”の物語」。今回は駒澤大学の藤田敦史監督をお迎えしました。
2022年度に大学史上初の三冠を達成し、今季も出雲駅伝、全日本大学駅伝でも圧倒的な強さで二冠を達成。箱根駅伝でも優勝はほぼ確実と思われ、「駒澤をどう倒すか」「駒澤包囲網」といった言葉も聞かれていました。
レースでは1区の篠原倖太朗選手が駿河台大のスティーブン・レマイヤン選手とのハイペースのレースを制してトップでの襷渡し。2区の主将・鈴木芽吹選手は単独走で素晴らしい走りを披露し、3区の佐藤圭汰選手につなぎます。しかしここで後ろから追いついてきた青山学院大の太田蒼生選手に逆転されてしまいます。
三本柱と言われたエース格の選手たちは決して悪い走りをしたわけではなかった、むしろいい走りをしてきた。しかしそれを上回る走りをされることを想定していなかったーー。藤田監督はそう語ります。
また、シーズン当初から三冠、「3つの駅伝を勝つ」ことを目指していたため、「選手起用の選択肢が狭まってしまっていた」とのこと。そして、前哨戦で圧倒的な強さを誇った駒澤の指揮官から出た「選手層が薄かった」の言葉には、正直、驚かされてしまいましたが、理由を聞くと納得する部分も多くありました。
そして3区で、抜群の強さを誇っていた佐藤圭汰選手が抜かれたことで走った、チームへの動揺。そして藤田監督はあることを思い出していました。
「圭汰が抜かれた時に、自分が大学4年生の時のことをがすごく頭によぎったんです。自分が4区を走って順大の大橋選手を抜いてトップに立ったんですが、芦ノ湖で順大の沢木啓祐監督が『藤田は駒澤で1番の選手だけど、大橋は悪いけどもチーム内で10番目の選手。10番目の選手が1番目の選手に抜かれるのは仕方がないし、チームとしてのダメージはない』とおっしゃっていたんです。これかーって」
チームのエースが抜かれることを当時の澤木監督のように想定していなかった、できていなかった。これが監督1年目の自分と、20年目の青山学院大・原晋監督の違いなのかもとも語りました。
動画ではほかにも
●「追う」ことへの精神的ダメージ
●ヘッドコーチと監督の大きな違い
●青山学院大に勝つために力を入れていきたいこと
●新キャプテン・篠原選手の人柄
●1年間チームをまとめた鈴木芽吹選手への評価
●大八木総監督からかけられた言葉
など、さまざまな話題でお話をお聞きしました。気になることを「根掘り葉掘り」した65分のロングインタビューを、ぜひお楽しみください。
◆概要
出演: 駒澤大学陸上競技部監督 藤田敦史
MC : 涌井健策、藤井みさ(NumberPREMIER)
収録日:2024年1月17日
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◆出演者プロフィール
藤田敦史Atsushi Fujita
1976年、福島県生まれ。清陵情報高等学校より駒澤大学に進学し、エースとして4年連続箱根駅伝に出走。4年時には4区の区間記録を更新。3月に出場したびわ湖毎日マラソンで2時間10分07秒をマークし、当時の学生最速記録を更新した。大学卒業後は富士通に進み、99年8月には世界選手権セビリア大会男子マラソンで6位。2015年4月より駒澤大学陸上部コーチ、23年4月より監督。
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