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【動画・後編】「熱い。ただ焦ってるな」川崎勇二監督が語る若い指導者への違和感、そして“次のエース”の変化「このオッサン怖そうやな、と」《徹底解剖:中央学院大学2025②》

2025/12/25

 箱根駅伝に挑む指揮官を動画でインタビューする連載「駅伝監督」に、中央学院大学・川崎勇二監督が登場。1992年から指揮をとり、初出場、シード権獲得、連続出場とチームを導いてきた名将で、今季は予選会で見事チームを首位通過させたが、近年は悩み、自分自身の在り方と向き合ってきたという。転機はどこにあったのか。川崎監督の指導哲学に迫るロングインタビューを前後編に分けて公開する(前編はこちらから)。
 NumberPREMIERでは箱根で復権を狙う中央学院大学を徹底解剖。キャプテン・近田陽路選手の動画インタビューも公開中だ。

 夏合宿中に行ったミーティング、中央学院大の選手たちは箱根駅伝予選会の目標を「3位以内」と定めた。それに異を唱えたのが、他ならぬ川崎勇二監督だった。

「トップを獲るぐらいのつもりではないと、3番なんかなれるわけない」「君らはもう少し、自分らがやっていることを信用して高い目標を持ってやるべきじゃないか」「トップを目指せ」

 選手たちが立てたチーム目標に対して、川崎監督はこのような言葉を返した。

「3位以内は行けると彼らは思っていました。トップ通過はなかなか厳しいかなと思っていましたけど、そういう気持ちがないと近づけない。彼らの心を動かすのが私の仕事だと思っているんで、ああいう言い方をしました」

 選手たちの成長に確かな手応えがあっただけでなく、彼らの奮起を促すためにこんな言葉がけをしていた。

「ただ、彼らは目標を変えなかったんですけどね(苦笑)」

 しかしながら、結果は堂々のトップ通過。選手たちは見事に指揮官の想定をも上回る走りを見せた。

photograph by Yuki Suenaga
photograph by Yuki Suenaga

 箱根予選会では、結果はもとより中央学院大が“集団走”を行わなかったこともトピックとなった。走力の近い者同士でグループとなり設定ペースを刻んでいく集団走は、箱根予選会の戦い方の1つであり、中央学院大も初めて予選会を突破した第70回大会から「定石」としてきた。ところが、今回は代名詞とも言える集団走をスパッと止めた。

「集団走に関しては疑問をずっと感じていたんですよ。何十年も前にやって成功したので、それで続けてはきたんですけども、もうそういう時代じゃなくなってきていました」

 その真意はどんなところにあったのか、指揮官に疑問を投げかけた。ちなみに、集団走を行わないことを選手たちに告げたのは、本番の2〜3週間前。「もう少し早めに判断すべきだったかなと思いました」と川崎監督は言うが、トップ通過はこの戦略がピタリとはまった結果だったとも言える。

 今季は10000m28分台の選手が10人を数える(そのうち箱根駅伝の16人にエントリーされたのは8人)。また、11月の上尾ハーフでは2年生が4人も1時間2分台の好タイムをマークし、1時間3分切りは10人になった(エントリーされたのは9人)。

「中央さんみたいに27分台がいっぱいいるチームではないですけども、ようやくうちも28分台が当たり前になってきた。今の2年生が非常に頑張ってくれているんで、チームの層が厚くなったのかなと思います」

 下級生の突き上げもあってチームは活性化し、昨季以上に選手層に厚みが増した。ロードで抜群の安定感を誇る近田陽路(4年)や、今季成長著しい市川大世(3年)といった核となる選手もいるものの、中央学院大は総合力で戦うチームだ。それは川崎監督も認めている。

「言い方は悪いですけど、うちは特別な武器がない。シード権を取るにはミスをしないことが大前提。あとは、いかにチーム内でのベストメンバーを当日に組めるか。それをやったら(シード権は)見えてくる」

成長著しい市川(3年)。全日本では3区で出走 photograph by Shiro Miyake
成長著しい市川(3年)。全日本では3区で出走 photograph by Shiro Miyake

若い世代の監督たちへの違和感

「とにかく熱いな、と。ただ、焦っているな、とは思いますね。とにかく箱根駅伝、箱根駅伝、箱根駅伝。そこで結果を残すことにこだわりすぎているかな、と。わかるんですけどね、私も若い頃はそうだったかもしれませんし(苦笑)」

 帝京大の中野孝行監督と同世代、今年で63歳になった川崎監督。箱根駅伝の世界でも、指導者の世代交代が進んできたが、その現状に対してどう思うのか? 率直な思いを語ってくれたのだが、その言葉は含蓄に富んでおり、世間で言われる「箱根駅伝から世界へ」だけでは掬いきれない選手への優しさにも溢れていた。

 動画では、前後編で合わせて、以下のようなトピックについて触れている。

  • シード権獲得へ必要なもの
  • 10000m28分台が10人。選手層に厚み
  • 「親しみやすい」キャプテン近田の人間性
  • ミスの少ないチームの作り方とは?
    同世代である帝京大・中野監督への思い
  • 若い監督に思うこと「もうちょっと学生に…」
  • この1年で変貌を遂げた選手
  • 本当の中央学院大の姿はこうじゃない!
  • 次女が陸上界に復帰「神野大地くんと高木くんはすごい」

 7年ぶりのシード権を獲得するために万全な準備をして、いざ箱根駅伝に挑むフラッシュイエロー。川崎監督の本音に迫った前編33分、後編34分のロングインタビューぜひご覧ください。(12月2日取材)

 ※動画配信画面は、NumberPREMIERにご入会いただき、ログインすると本ページ上部に表示されます。

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