直近3大会の箱根駅伝では10位、7位、6位とシード権を獲得し、着実に順位を上げてきている法政大学。チームを指揮する坪田智夫監督に、チーム作りをテーマにお話をうかがいました。
実は、法政大は第100回箱根駅伝のエントリーメンバーの10000m平均タイムが23チーム中18位でした。 あえて「タイムを出すための記録会出場やピーキングはしてこなかったから」と坪田監督は語りますが、結果は見事6位。飛躍の理由はどこにあるのでしょうか。
「選手たちが『本当にやれるんだ』という意識とレベルの高さを感じて、1年1年積み重ねていってくれた結果です。ただ、平均タイムはもう少し見栄えよくはしたいですね(苦笑)」
一方、優勝を目指しているチームとの差はまだ大きいと感じているようで、24年度も着実に「5位」を狙ってチーム作りをしていきたいとのこと。新しいチームの「核」となる選手をたずねると、今回の箱根駅伝6区で区間賞を獲得した武田和馬選手の名前がまずあがりました。
「武田を平地にまわせるぐらい他の選手が力を上げてくれば、さらに上を目指せる可能性が高くなります。チームとしてアベレージで走る力はついてきていますが、流れを変えられる選手が1人だけではなく2、3人必要ですね」
法政大学には連綿とした個性派エースの系譜があります。坪田監督ご自身、現在は駿河台大学を率いる徳本一善、東京五輪代表になった坂東悠汰と青木涼真、さらに佐藤敏也、鎌田航生、松永伶。彼らは、指導者が細かく指導しすぎるのではなく、学生たちの主体的行動を重視する法政大の伝統の中で「育ってきたのかもしれない」とのこと。
自主性の中にも責任があり、「考える」ことで選手が育つ。坪田監督のお話には「古き良き体育会」的な雰囲気を感じつつ、取材の中で何度も「考える」という言葉を使っていたのも印象的でした。
動画ではほかにも
●エースは育てるのではなく「勝手に育つ」?
●なぜ法政大学は、山区間に強い選手が出てくるのか
●山登りの選手に必要な要素とは?
●今年の箱根駅伝2区、松永選手「爆走」の裏で
●長く活躍する選手になってもらうために
●実は「ワンオペ」の監督、チームマネジメントの仕方は?
●スカウティングのポイント
などなど、たっぷりとお話していただきました。
話が盛り上がり、60分の予定を10分オーバー。駅伝のないこの時期だからこそ話せることもあったと感じました。ぜひじっくりとご覧ください。
◆概要
出演: 法政大学 坪田智夫監督
MC : 加藤康博、涌井健策(NumberPREMIER)
収録日:2024年4月17日
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◆出演者プロフィール
坪田智夫Tomoo Tsubota
1977年生まれ。法政大学では箱根駅伝に3回出場し、4年時は区間賞を獲得。卒業後は実業団・コニカミノルタに進み、2002年アジア大会10000mでは7位入賞。2003年のパリ世界陸上10000mにも日本代表として出場した。2012年より法政大学陸上部長距離コーチ、翌2013年より同部駅伝監督を務める。
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