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「試合で“決断”をするのは監督と捕手だけ」タイガース・坂本誠志郎の投手を生かす“観察眼”とは?《先輩・岩田稔が訊く》

2024/03/30
タイガースの正捕手・坂本に、阪神一筋で2021年に引退した岩田稔さんが聞いた
昨季は梅野隆太郎が故障離脱した穴を埋め、正捕手としてチームを日本一に導いた。その経験と自信を連覇にどう生かすのか。成長を見続けてきた先輩投手がリード論や今後の目標に迫った。

岩田 最近見ていると自信がついてきた感じがするよね。

坂本 そうですか?(笑)

岩田 昨シーズン、梅野(隆太郎)の離脱後もしっかり正捕手としてチームを引っ張っていったからかな。

坂本 試合に出続けてたくさんのことを感じましたからね。その経験が打者を抑えるための幅を広げてくれました。

岩田 僕も一軍だけでなくファームで何試合も組んだけど、坂本はしっかりバッターの裏をかけるキャッチャーだなと思っていた。ゴロを打たせるタイプの僕でさえ、見逃し三振の数が多かった印象がある。どうしてここでその球を投げるのか、根拠があって意図を持って要求できる。そこは矢野(燿大)さんとちょっと似てる。

坂本 表を意識させないと裏もかけないので、打者には打席の中でいろいろ考えさせるように仕向けます。あとは、岩田さんだったらゴロピッチャーだというイメージを相手が持っている。そういう先入観も利用する。試合に多く出ることで、相手の考えていることを感じやすくなりました。

岩田 マスクをかぶる回数が増えればいっぱいタネをまけるってことやもんな。

試合の中で決断しているのは監督と捕手しかいない。

坂本 試合の状況、バッター、ピッチャーのタイプによって投げる球は変わりますし、前の打者と次の打者、前の打席と次の打席、それがどんどん繋がっていきますからね。でも毎回迷ってるんです。これでいけるか? 大丈夫かな? って。

岩田 リードは生き物だから、バッターがどう考えているかをきちんと読めないといけない。昨シーズンでうまくいったなという会心のリードはあった?

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photograph by Kiichi Matsumoto

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