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「ドジャースがいるから、僕はここまで頑張れている」ダルビッシュ有の敵軍称賛、山本由伸が証明した“3億2500万ドル”の価値《2人のPSを振り返る》
2024/11/18
地区シリーズ第5戦で実現した日本人先発対決。野球界の頂点をめぐる戦いのマウンドに立ち、いずれも圧巻の投球で強打者たちを翻弄した。離脱も経験した38歳と26歳の復活劇を振り返る。(原題:[二人の日本人投手]山本由伸&ダルビッシュ有 最高峰で見せた多彩な技。)
2024年のポストシーズンは、ドジャースの大谷翔平、山本由伸、パドレスのダルビッシュ有、松井裕樹、メッツの千賀滉大、登板はなくワイルドカードシリーズで敗退したアストロズ・菊池雄星が出場資格を得た。二刀流の大谷を含め、その6選手全員が投手。その中でも特に山本とダルビッシュが見せた快投は、日本人投手の実力を示すに相応しい圧巻の投球だった。
最年長選手、38歳のダルビッシュはドジャースとの地区シリーズで第2戦、第5戦に先発し、2試合で13回2/3を投げ、許した安打6本、失点3、防御率1.98の快投を演じた。勝敗は1勝1敗に終わったものの、結果的に世界一に輝いたドジャース打線を最も苦しめた投手の称号も彼に与えられた。しかし、チームは2勝1敗と王手をかけながら24イニング連続無得点と打線が沈黙し、打倒ドジャースの夢は叶わなかった。終戦後、ダルビッシュは彼らしく宿敵を称えた。
「試合を見たらわかるように、簡単に終わるチームじゃない。本当にドジャースがいるから、僕はここまで頑張れている。本当にすごいチームだと思っています」
'21年のパドレス移籍後、ダルビッシュは同地区のライバルであるドジャースについて、こんな言葉を繰り返してきた。
「本塁打も打てる、チーム全員で繋ぐ野球もできる。投げる方にとって、これほど嫌な相手もいない。だからいろいろ勉強して臨まなければいけない。勉強することは僕にとって楽しいことなんで」
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photograph by Yukihito Taguchi / Getty Images