【ストリンガー】
ベンチに下がった選手が使っていたラケットを係員に渡す。プロテニスの試合でよく目にする光景だが、その行き先をご存知だろうか? 会場内の作業場で大量のラケットを預かり、縦横の糸を素早く張り替える仕事人、それがストリンガーだ。
ベンチに下がった選手が使っていたラケットを係員に渡す。プロテニスの試合でよく目にする光景だが、その行き先をご存知だろうか? 会場内の作業場で大量のラケットを預かり、縦横の糸を素早く張り替える仕事人、それがストリンガーだ。
道具の進化は、プレーに大きな影響を与える。かつてテニスのラケットのストリングといえば、羊や牛の腸を用いるナチュラルガットが一般的だった。だが、現在のプロテニスでは、縦糸か横糸にナチュラルガットを用いるハイブリッドが見られるものの、主流はポリエステル系の合成素材となっている。
その結果、新常識になったのが試合中のストリングの張り替えだ。ヨネックスストリンギングチームに所属する長谷部健二は、全豪オープンや東レ・パンパシフィック・オープン(東レPPO)といった大舞台で、その役目を担っている。
「ポリエステルは切れづらいんですが、わずかな期間でテンション(張力)が落ちるという性質もある。張りたてに最大の威力を発揮する材質なんです。そこで試合前日に張る選手が増え始め、さらに試合中にも張り替えをするニーズが生まれました」
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photograph by Shinya Kizaki