野球中継の画面にはいつも姿が映っている。新連載第1回は、白球に眼を凝らす黒子の素顔に迫る!
プロ野球における神とは誰だろうか? 川上哲治? 長嶋茂雄? 誰でもない。審判こそが神である。ストライクかボールか。アウトかセーフか。「審判員の判断に基づく裁定は最終のものである」と公認野球規則にあるとおり、審判の御託宣は絶対的だ。
「裁定に対して異議を唱えることは許されない」とも規定されている。グラウンドでの主役は選手たちでも、司るのは審判なのである。
支配者たる審判の中でも、日本野球機構で「シニアクルーチーフ」の肩書きを持つ審判員の友寄正人さんは、異色の存在といっていいかもしれない。なにしろ選手としての野球経験は「ゼロに近い」のである。中学校に進学すると野球部に入部したが、理不尽な厳しさに嫌気が差し、すぐに「帰宅部」に転部した。選手としての経歴は以上で最後だ。
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photograph by photographs by Satoshi Ashibe