【超人スポーツ研究者】
従来のスポーツだけでなく、得意不得意、年齢、障碍、資格を問わず誰もが楽しくスポーツができる未来を創るため、スポーツとテクノロジーや文化を融合することで、新領域のスポーツを「超人スポーツ」として開拓、開発する。
従来のスポーツだけでなく、得意不得意、年齢、障碍、資格を問わず誰もが楽しくスポーツができる未来を創るため、スポーツとテクノロジーや文化を融合することで、新領域のスポーツを「超人スポーツ」として開拓、開発する。
スポーツは技術の発展とともに歩んできた。先史時代に発明された弓矢は、その腕前を競うべくルールが整備され、アーチェリーというスポーツに昇華した。モータースポーツの繁栄があるのも、17世紀に内燃機関が発明されたおかげだ。
近代以降は新たな技術が連日のようにうまれている。それならば最先端のテクノロジーを取り入れた、まったく新しいスポーツがうまれてもいいはずだ。東京大学の稲見昌彦教授が提唱する「超人スポーツ」とは、まさにテクノロジーと身体性を融合させた、新スポーツの発明である。
「2020年の東京五輪の開催が決まったと聞いたとき、『日本らしい』と思ってもらえるスポーツを提示すべきではないかと、ふと考えたんです。1964年の東京五輪では柔道を通じて日本の文化を世界に伝えましたが、2020年の日本らしいスポーツとは何だろうか? 以前、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に勤務したとき、留学生になぜ日本で勉強したいのかと尋ねると、子供のころからアニメや漫画が好きで、日本に憧れていたと。もうひとつは、日本には最新の科学技術があるからという答えが多かった。多くの若者が興味を持つポップカルチャーやテクノロジーと身体性が組み合わさった、新しいスポーツ。それこそがいまの日本らしさを表現するスポーツなのではないかと思い至ったわけです。当初は“サイボーグオリンピック”という言葉を使っていましたが、思いのほか賛同してくれる人が多く現れたんです」
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by photographs by Satoshi Ashibe