パリでは、連日心に響くシーンと出会うことができた。今回はその中から3つに絞って、僕が感じたオリンピックを伝えたい。
強烈な雨の中の開会式に「パリよ、よくやり切った」
まずは革新的な開会式。これまでにない斬新な演出の数々。中でも選手達が船に乗り、セーヌ川を6kmにわたってパレードする姿は圧巻だった。
スタジアム外での開会式という前例のない試みに、街は警察、憲兵隊、軍隊で埋め尽くされていた。僕は開会式中継のため、エッフェル塔近くのトロカデロ広場に設けられた特設会場にいたが、警備のため、始まる6時間前には会場に入らなければならなかった。
ただ、僕が最も心配していたのは雨だ。今回、簡易のスタジオ席は吹きさらしの状態。前日のメディアミーティングに出席したスタッフによると、「もし開会式で雨が降った場合はどうするのか?」という質問に、大会側は「雨は考えていません」と、なんともフランスらしい答えを返したという。しかし、当日は強烈な雨が降り続けた。
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photograph by Tamon Matsuzono