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<スペシャル対談> 鏑木毅×高橋尚子 「レジェンドランナーの食生活」

2014/03/19
肉を2kgに寿司50貫、糖質ではなく脂肪を貯める調整法など
驚くべきエピソードと、「練習と食事は同じくらい大切」
という説得力ある言葉に、示唆的な失敗例。
時代を切り拓いてきた2人のランナーが「RUN&EAT」を思いっきり語り合った。

本日発売の雑誌Number Do『RUN&EAT あなたの「走る」が「食べる」で
変わる』
より、シドニー五輪マラソン金メダリスト・高橋尚子さんと
世界的トレイルランナー・鏑木毅さんの対談を公開します!

高橋 鏑木さん、おひさしぶりです。あいかわらず痩せてますねー。うらやましい(笑)。いま、体脂肪率はどれくらいですか?

鏑木 8%くらいかな。

高橋 あっ、それくらいはあるんですね。すごく痩せているから、逆にビックリ。

鏑木 高橋さんも痩せてますよ。

高橋 いやいや、引退してから7kgから8kgくらい太っちゃって。とても体重は公表できません(笑)。現役の時にこのくらいになって、「高橋尚子、激太り!」って叩かれたんです。

鏑木 シドニーオリンピックの時がむしろ異常に細かったんじゃないですか。

高橋 たしかに一番痩せてた時は(中指と親指で円を作り)この輪っかを肘が通り抜けました。私、現役時代から試合が終わるとだいたい7kg太るんです。でも、ボクサーみたいに最後何日かで急に痩せるとマラソンは走れないので、約6カ月のマラソン練習で徐々に体を絞っていくんですね。その頃は体脂肪率が4%でした。

食べたものを全部その日に消化して、また食べる生活。

高橋尚子 NAOKO TAKAHASHI
1972年、岐阜県生まれ。大阪学院大卒業。シドニー五輪で金メダルを獲得し、女性アスリートで初となる国民栄誉賞を受賞した。'01年ベルリンマラソンでは2時間19分46秒の世界記録(当時)を樹立。'08年の現役引退後もTVキャスターなど幅広い分野で活躍している。

鏑木毅 TSUYOSHI KABURAKI
1968年、群馬県生まれ。早大で箱根駅伝出場を目指すも怪我の影響などで果たせず。群馬県庁勤務時代にトレランに出会うと数々の大会で優勝。国内最強ランナーの1人であり、ウルトラトレイル・マウントフジなど多くの大会プロデュースも。著書『激走100マイル』。

鏑木 7kgも太るというのは、ストレスを解放させる意味合いがあったんですか。

高橋 練習がきつかったからその反動はありますね。1日最低でも40km、毎週土曜日には80kmほど走っていて、食べたものを全部その日に消化してまた食べるという生活だったんです。それで1カ月の休養期間に入ると、走る距離がガクッと減っちゃう。それでも食べる量は変わらないから、やっぱり体重がどんどん増えていくんです。でも一度体をゆるませるという目的もありました。

鏑木 一度体を休ませるという感覚はよくわかる。僕の場合も100マイル(約160km)を20何時間かけて走り続けるので、一度のレースで負うダメージは破壊的です。それこそ休まないとやっていけない。

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photograph by Takuya Sugiyama

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