日々のトレーニングにランニングを取り入れつつも、その楽しさは
わからないという中田英寿。
サッカーの試合以外で彼の走りを見るのは初めてという有森裕子。
大人による、大人のための特別講義が今スタートする。
わからないという中田英寿。
サッカーの試合以外で彼の走りを見るのは初めてという有森裕子。
大人による、大人のための特別講義が今スタートする。
9月のある晴れた日、土のグラウンドを中田英寿が走っていた。ザクッ、ザクッ、ザクッ。その走りは一歩一歩が力強く、乾いた地面から土煙があがる。かなりダイナミック。それが中田英寿の“ランニング”だ。
傍目には速く感じるが、それでも全力疾走のダッシュとは違う。その証拠に400メートルを2周走った後でも、ほとんど息は切れていなかった。
「どうですか? 僕の走り」
彼の走りをじっと見ていたのは、有森裕子。ともにトップアスリートとして生きてきた2人は旧知の仲。しかし試合以外の中田の走りを見るのは、有森にとっても初めてのことだという。
「日本人に向いた走り方ってどんな感じなんですか?」(中田)
有森 予想していた通りの走り方です。
中田 そうですか? どういうところが?
有森 サッカーって持久力も大事だけど、基本的には瞬発的な走りを求められますよね。だからどうしても跳ねるような走り方になるんです。力が前方向ではなく、上方向に行きがちで、長距離には向いてない走り方です。
中田 長距離は苦手なんですよね。長く走ってると、腰が痛くなるんです。
有森 アゴが上がって胸が反り気味になっているから、どうしても腰が入る。そうすると走りの衝撃を全部腰が受けちゃうんですよ。
中田 僕の場合、走りながら周りを見る癖がついてしまっているので、上体が立ったままなんですよ。
有森 外国人のように腰回りの筋肉や骨格がしっかりしているならそれでもいいんですが、日本人の腰は丸いというよりも薄い。どうしても腰がその負担に耐えきれないんです。
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photograph by Junichi Takahashi