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「WBCで世界の打撃トレンドが見えました」NHK解説者が感じた“スイング軌道”の変化に日本はどう対応するか「もはやスモール野球の時代ではない」 

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小早川毅彦

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa

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posted2026/03/21 11:02

「WBCで世界の打撃トレンドが見えました」NHK解説者が感じた“スイング軌道”の変化に日本はどう対応するか「もはやスモール野球の時代ではない」<Number Web> photograph by Getty Images

WBC決勝戦、5回にホームランを放つベネズエラのウィルヤー・アブレイユ。NHK解説者・小早川毅彦氏が今大会に見た「世界のバッティング」のトレンドとは?

 ピッチャー側からすると、低めに制球するとフライボール打法の餌食になってしまうので、今度は打球を打ち上げにくい高めの速球をたくさん投げるようになってきたんです。100マイル前後の高めの豪速球を武器にするピッチャーが増えて、打者はそれで苦労するようになってきました。

自分に合ったスイングで豪速球に対応している

 もちろん、大谷選手やジャッジ選手のような規格外のフィジカルを持っているバッターなら、高めの速球にも力負けせずポイントを近くに置いたままスイングできるのですが、皆が皆それを真似できるわけではありません。そこで、高めの速球を弾き返すために、自分のパワーに合わせてミートポイントを前にする打者が出てきたんですね。

 すると、体の近くでバットを強烈に振り上げるというのとは違うスイング軌道になってきます。画像解析などのデータが簡単に取れるようになったことも利用して、自分の能力に合った、理にかなったバットスイングをそれぞれにデザインしているバッターが増えているわけです。今回のWBCで各国の打者をいろいろと見る中で、そうした傾向が私には見てとれました。

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 そこで先ほどの日本の打者の話に戻りますが、こうして個々の選手が自分のパワーを最大限に発揮できるように能力を伸ばしていく。そのスイングを、練習でなく試合のなかでどう発揮するか、常にゲームをイメージしながらトレーニングしていく。そうして自分で考えて戦う選手が増えていくことが大事だと私は改めて感じたわけです。

 そういう、日本人も参考にできる取り組みのトレンドが、今回の大会のバッターのスイング軌道というものに現れていたんじゃないかと思うんですね。1試合の戦いのなかでのプレーや起用法から敗因を追究するということも必要かもしれませんが、日本野球の進む道という意味では、次回大会、その次の大会に向けて、どんどん自分で考える若い選手たちが出てくること。それが、今度こそしっかりと結果に結びついていくことを期待する、そういう大会になったのかなと思います。

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