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「第3打席こそ大勝負だった」なぜ韓国リーグ出身左腕は大谷翔平から三振を奪えたのか? WBC優勝ベネズエラ“無名ブルペン”の秘密「あの三振が流れを変えた」
posted2026/03/21 06:00
大谷翔平を空振り三振に仕留めるなど、WBC優勝に大きく貢献したエンマヌエル・デヘスス(左)。ケガで辞退しながらもチームに同行したエース、パブロ・ロペス(右)
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杉浦大介Daisuke Sugiura
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Daisuke Sugiura
第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を制したベネズエラの快進撃は見事だった。グループリーグではハイレベルのD組を3勝1敗で突破したラテンのタレント集団は、準々決勝では2連覇を狙った侍ジャパンを8-5で撃破。その後も勢いを保ち、準決勝ではイタリア、決勝ではアメリカを下して初めての優勝を飾った。
熱血漢のオマー・ロペス監督に率いられ、ロナルド・アクーニャJr.、ルイス・アラエス、サルバドール・ペレス、エウヘニオ・スアレスといったメジャーで実績あるスラッガーたちを軸に今大会で最大の輝きを放ったチーム。アメリカ戦の決勝打を放ったスアレスのこんな言葉に、WBCを見たベースボールファンは誰もが頷くことだろう。
「私たちは単なるチームメートではなく、ファミリーなんだ。このチームは最高だよ。私たちは常に一丸となり、情熱と愛を持ってプレーしてきたのだから」
じつは主力を欠いていた投手陣
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もっとも、今大会に臨んだベネズエラのロースターの中で、特に投手陣は大会前から高評価されていたわけではなかった。パブロ・ロペス、ホセ・アルバラード、ロベルト・スアレスといった主力が出場できず、層が薄くなったかと思われた。それゆえに、準々決勝ではエースのレンジャー・スアレスが日本打線に捕まり、3回で2-5とリードされた際には暗雲が漂ったように感じられたのだった。ところが――。
4回以降、ベネズエラのブルペンが侍ジャパンを完全に封じ込めたのはご存じの通りである。3回2死からスアレスの後を引きついだエドゥアルド・バザード、エンマヌエル・デヘスス、ホセ・ブット、アンヘル・セルパ、アンドレス・マチャド、ダニエル・パレンシアが合計6回1/3を4安打8奪三振で零封。中盤以降のベネズエラ打線の爆発はもちろん素晴らしかったが、それ以前にブルペンの頑張りがなければあの逆転劇はあり得なかった。
昨季、カブスのクローザーとして22セーブを挙げたパレンシアを除けば、ほとんど名前を知られていない投手ばかり。そんな無名のブルペンは日本の強打者たちをなぜ抑えられたのか。どんなプランを持って臨み、一体何が有効だったのか。
その秘密をメジャー通算59勝のベテラン、パブロ・ロペスに尋ねてみた。
