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「WBCで世界の打撃トレンドが見えました」NHK解説者が感じた“スイング軌道”の変化に日本はどう対応するか「もはやスモール野球の時代ではない」
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小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2026/03/21 11:02
WBC決勝戦、5回にホームランを放つベネズエラのウィルヤー・アブレイユ。NHK解説者・小早川毅彦氏が今大会に見た「世界のバッティング」のトレンドとは?
投手陣の難しさとは
さて、そのベネズエラに日本は敗れて、1次ラウンド時点での私の「日本優勝」という予想は外れてしまいました。このときには、投手側では「カウント負けして直球勝負でいくと危険」、打者側では「大谷翔平選手はじめ徹底的に左投手をぶつけられる可能性」という課題があると指摘しましたが、残念ながらそちらの予想のほうが当たってしまった感があります。
この大会はやはり投手力がカギであるということ、そして毎回のこととはいえ、投手の運用が非常に難しいということは改めて痛感させられました。まだ調整途上の時期で球数制限や登板間隔の制限があり、所属チームで中心選手であるそれぞれのピッチャーの起用法についても、制約というか気を遣わなければなりません。
そんななかで、ジャッジ選手が象徴的ですが、どんどん強力な打者がこの大会に出るようになって、攻撃陣の実力は数大会前よりもはるかに上がってきています。そんなラインナップを相手にするわけですから、これは大変ですよ。
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日本の投手陣の継投であったり、一発を浴びてしまった投球内容を云々する声もあるとは聞きますが、私は隅田知一郎投手にしろ伊藤大海投手にしろ、今出せる力をしっかりと出してくれたと思います。もちろん私が危惧していたように、ストレートを痛打されてしまったのは事実ですが、正直、彼らで行って打たれてしまったならばそれはもう仕方がない、という気持ちです。
ベネズエラ打線の執念
打線に目を向けますと、やはりベネズエラは強力でした。ロナルド・アクーニャJr.選手、ルイス・アラエス選手、エウヘニオ・スアレス選手といったオールスター級の打者が揃っているわけですからね。ただそこに、足をからめたり、送りバントやセーフティーバントを試みたり、なんとか1点をもぎ取ろうという考えも見てとれました。アメリカとの決勝戦でも、代走から単独スチールを決めたハビエル・サノーハ選手が決勝点のホームを踏みました。


