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「美帆に絶対負けたくない」から12年…高木菜那が妹・高木美帆の“最後の五輪”を見つめた表情の意味「結構、心配しているんだろうな」 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byAsami Enomoto/JMPA

posted2026/03/06 11:13

「美帆に絶対負けたくない」から12年…高木菜那が妹・高木美帆の“最後の五輪”を見つめた表情の意味「結構、心配しているんだろうな」<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

ミラノ五輪後に現役引退を発表した高木美帆。その五輪最後のレースを見つめた姉・菜那さんとの関係の変わった部分、変わらない部分とは

「結構、心配しているんだろうな」

「ただ、北京後の(4年間の内の)後半2年間。特に今年ですかね。結構、心配しているんだろうなというのは感じていました」

 北京五輪後、1500mの頂点を目指す高木はナショナルチームを離れ、23年に「チーム・ゴールド」を結成した。充実感はあったが資金繰りなどの苦労は決して少なくなかった。23年から2年間は、パワー型のブレードに挑戦した。今季は元のブレードに戻したが、スケーティングフォームの繊細な部分にずれが生じて修正に苦しみ、「迷子のよう」と思い悩む姿もあった。

「本当は私に掛けたい言葉や、手を差し伸べたくなる気持ちがあったのではないかと思うのですが、私があまりそういうのを好きじゃないということも知っていたので、グッとこらえて、見守る側に徹してくれていたなとも感じています」

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 姉妹だから分かることがあるし、分かりすぎることもある。でも、姉妹だから決して触れたりはしないことがある。2人の場合はそこに「金メダリスト」という勲章もついている。

 2人だけが知っていればいいことを菜那さんは守り抜いていた。何より妹を大事に思いやっていた。ミラノ・コルティナ五輪の女子1500mのレースは、姉妹、そして2人を育んだ高木家の集大成でもあった。

集大成、そして引退に姉は……

 4度目の五輪を終えた高木は、一時帰国を挟んでから今度はオランダへ飛んだ。世界オールラウンド選手権に出場するためだ。世界スプリント選手権の出場権もあったが、あえてオールラウンド部門を選んだ。ミラノを去る時、高木は1500mのレース後にオランダ人ファンから万雷の拍手を受けたことについて触れ、「あれで、オランダで滑るなら絶対にオールラウンド部門でしょと思いました」と、この時ばかりは笑顔を見せていた。

 そして3月4日、自身のSNSにこの世界選手権を「私のスケート人生の一区切りにしようと思っている」と明かした。

 会場は、2015年2月に姉妹で初めて世界距離別選手権女子チームパシュートの金メダルを獲得した時と同じヘーレンフェーンのリンク。菜那さんも追ってSNSで「現地へ応援に行く」旨をつづった。

 思い出のリンクでのラストレースへ向かう2人の笑顔が見えるようだった。

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