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「巨人・大勢(26歳)が思わず笑顔に…」20代ピッチャーに“新ダルビッシュ塾”が人気な理由「“一人一人違う”アドバイス」日本ハム北山が証言
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/02/21 11:00
楽天・藤平尚真(27歳)のピッチングを見守るダルビッシュ有アドバイザー(39歳)
昨年10月に右肘を手術。現在はリハビリ中で、共に戦うチームメートとしてではなく、アドバイザーとして選手を見守る。“兄貴分”の距離感はそのまま、よりコーチに近い立場で、時にメンターの役割も担って、選手が自信を持って戦いに挑めるような支えとなっているのだ。
そしてもう一つ、今回ダルビッシュは、井端弘和監督やコーチ陣に対しても助言を求められている立場である。対戦国のデータ分析や対策はもちろん、特に今大会から初めて採用されたMLB式のピッチクロックとピッチコムについては、投手として熟知しているからこそ伝えられるアドバイスを送っている。
野手向け「ダルビッシュ質問会」も
例えばピッチクロックで思わぬ落とし穴となるのが、制限時間(ボールを受け取ってから、走者なしでは15秒、走者がいる時は18秒以内に投球動作に入る)に気をとられる余りに、投手が投げ急ぎ、リズムを崩してしまうようなケースだ。18日のライブBPでは、ピッチクロックが投手から見づらい位置にあったために、登板した北山と隅田知一郎(西武、26歳)が制限時間を大幅に余してしまった。
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さらにNPBの選手にとって未知の機器であるピッチコムについては、バッテリーの意思疎通にバタついたり、逆に制限時間オーバーを気にして投手がサインに首を振りづらいなど、齟齬が生まれる可能性がある。ダルビッシュは、コーチ陣とこれらの対処法を話し合う一方で、19日には、室内練習場を非公開にして投手と捕手を集めて自ら講師役となり対処法をレクチャーした。「こういうパターンもあるよ、という話を丁寧にしてくれた」と村田善則バッテリーコーチ。この姿を見た野手陣からは、“僕らもダル先生の話を聞きたい”と待望論が上がっており、今後は野手の練習に参加して質問に答える機会もあるという。
アドバイザー就任が発表された際には、自らのSNSで「一応現役選手である自分にこのような関わり方をさせていただいた井端監督、侍ジャパンには感謝しています」と感謝を示したうえで「宮崎では邪魔しないように心がけます」と綴ったダルビッシュ。第2クールを終えた宮崎合宿では、「邪魔」どころか、若い選手が多いチームの精神的支柱となっている。
WBC開幕まで2週間。ダルビッシュの理論的で温かいアドバイスに背中を押された選手たちは、大谷翔平らメジャー組の合流とともにさらに大きな輪となって連覇を目指す戦いに挑む。

